Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

この度上場する24/7(トゥエンティーフォーセブン)ワークアウトのビジネスモデルが素晴らしい!

企業経営を見ていると非常に重要だなと思うものの一つに「集客」があります。

集客ができるとその企業は大きく伸びる。逆にできないと死んでしまいます。

 

そんな企業の生命線である集客ですが、非常に成功している企業を見つけました。

 

その企業はトゥエンティーフォーセブン。

ライザップが火付け役になった、パーソナルトレーナーが専属で付くパーソナルトレーニングを中心とした企業です。トゥエンティーフォーセブンは正にこのライザップが起こしたブームに上手に乗りつつビジネスモデルを構築し大成功を収めているように見えます。

 

数字で見ても、そのビジネスモデルは大変優秀です。

 

実際、集客が上手く行っている証拠として、トップラインである売上、売上拡大に必要不可欠な店舗数は伸び続けています。

 

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勝っている企業の特徴はどのようなものなのか。ポイントはマーケティングとビジネスモデルでした。非常に示唆に富む企業だと思います。参考にして頂けると幸いです。

 

トゥエンティーフォーセブンのサービスである24/7ワークアウトのビジネスモデル

 

さて、トゥエンティーフォーセブンのサービスである24/7ワークアウトを見る際に重要になってくるのが広告等です。

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動画も

 

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(いずれもHP:https://247-workout.jp/より)

まあ、ぶっちゃけ見せ方はライザップ風ですよね(笑)

ただ、これはこの企業の見せ方、マーケティングの部分に大きく関係してきます。

 

企業のビジネスモデルを紐解く際に必要になってくるフレームワークが「認知→おとり→リピート→本命商品」です。図にすると、このようなじょうごの形に落とし込むことができます。

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つまり、企業はどうやって自社の商品やサービスを認知してもらい、おとりの商品を試してもらい、気に入ってもらえるとするとリピートしてもらえるようにし、最後の本命商品につなげるか。という事を考えるのが非常に重要になってくるという事です。

 

要は顧客成長を遂げていくという事なのですが、この方法はLTV(Life Time Value)が最大化する商品の設計方法だと言われています。トゥエンティーフォーセブンはこの方法にマッチする方法を取っているのでしょうか?確認していく事にしたいと思います。

 

認知は複数の所に仕掛けを作っている。

 

まず認知の部分です。トゥエンティーフォーセブンは元がネット販売事業からスタートしているからか、ネットでの集客が非常に強い企業です。そして、24/7ワークアウトを顧客に認知させるための取り組みはネットの世界にちりばめられています。

 

まずはネット広告。もちろん動画もあります。

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この辺りは高単価なパーソナルトレーニングであるがゆえに非常にしっかりとお金をかけています。また、面白いなと思ったのがネットで「24/7ワークアウト」と検索した際のブログの数の多さ。

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https://www.google.com/search?sxsrf=ACYBGNRYBzgg2ZXFDMowpexgdKTO6yf9_A%3A1572421214157&ei=Xj65XZ2iCeqKr7wPkbyioAo&q=24%2F7%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88&oq=24%2F7wa&gs_l=psy-ab.1.1.35i39j0i4l7.3406.4558..6432...0.0..0.91.568.7......0....1..gws-wiz.y6kLU5j_EYY

あれよあれよという間に出てきます。

 

内容や構成などは結構どこも同じです。

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https://kenkostyle.info/gym/247workout-taiken/

こんな感じの体験レポートがあったり

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https://the-training.jp/post-21909/

このような企業の紹介があったり、様々なサイトで24/7の情報を目にすることになります。

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http://xn--de-fg4atdl1d2gxdvc6fi.net/%E3%80%90%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%A0%E6%AF%94%E8%BC%83%E3%80%91%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%83%E3%83%97-%E3%81%A8-247-%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF/

そして、比較的多いパターンがこのライザップと比較されている内容。

これはトゥエンティーフォーセブンが意図的に行っている施策ではないでしょうか。というのも、消費者からすると、「あのライザップと比べられるのだから、質はかなりいいのでは」という思考になるからです。

 

そのまま、値段設定はライザップと比べられます。

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https://www.kevin-son.com/entry/24-7-reviews

 

こんな感じで、さまざまなブログなどで24/7ワークアウトとライザップを比べる記事があり、ライザップと24/7ワークアウトでは食事制限がワークアウトの方が緩い、トレーニング内容に大きく異ならない(ように見える)説明、トレーナーが採用率2.46%という狭き門をくぐり抜けてきたという内容。ライザップに比べて値段が低いが、それはライザップより安いのは広告や内装にお金をかけていないからという説明を加えてさりげなくライザップとの差別化を図っています。

 

24/7ワークアウトは業界内でチャレンジャー(業界の上位に位置するがリーダーには量で及んでいない)なので、戦略として差別化戦略を取っているのかもしれません

 

トゥエンティーフォーセブンはこの辺りの広告戦略は非常に気を使っており、上場目論見書の記載事項にもなっています。

 

f:id:parrrrrao:20191107161508p:plainインターネット等の広告宣伝により、新規顧客を獲得しており、広告宣伝は重要なファクターであります。当社は、マーケティング戦略を重要な経営戦略と位置づけ、(略)

https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000004c9rc-att/11Twenty-fourseven-1s.pdf

数字の面からも見てみましょう。トゥエンティーフォーセブンの上場目論見書によると、現在新規顧客の獲得はインターネットなどの広告宣伝のよう。実際、トゥエンティーフォーセブンは2018年の決算においては売上規模としては68億円程度ですが、広告宣伝費に17億円投じています。これは、実に売上高の25%に相当する広告費です。

 

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店舗型の企業がこれだけ広告にお金をかけるのは非常に集客を重要視している事が分かりますね。このように、成長している企業は、まず「集客」の部分に多大なコストをかけており、その結果が売上の大きな伸びにつながっている事が分かります。

 

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もちろん商品やサービスのクオリティが高い事が大前提ですが、成長しているこの企業は、「いいものであれば自然に売れる」という発想を一切持っていないように見えます。

このように伸びている企業を見ていると、「いかに自社のコンテンツを認知してもらうか?」という所に投資をすることの重要性が分かりますね。

 

このような仕組みで売上を伸ばしているトゥエンティーフォーセブン。では、なぜ売上の25%以上もお金をかけることができるのでしょうか?これには確かな根拠があります。

 

LTVとCACのバランスでビジネスを確認する。

 

まず大前提として重要なのは、企業の数値が5つに分解されるという事です。

基礎編として、まず一般的な話をしていきますね。

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この5つの数字はLTV (一人の顧客がそのサービスに継続でどれだけお金をかけてくれるか?)とCAC(その一人の顧客を獲得・維持する為にかかるコスト)の二つに分けられます。

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一人の顧客は平均単価とそのリピート期間によって「トータルでどれだけ支払ってくれるのか」が分かります。仮に一回に支払ってくれる単価が低くても、リピート期間が長ければ長いほど、そのコンテンツはLTV が最大化されるという訳です。

 

近年流行りのサブスクリプションは、IT化、ネット化の影響を受けてサービスがデジタル化したのに伴いこのリピート率をある程度正確に計算できるようになった結果生まれたビジネスモデルだと言えるでしょう。

 

逆に、このサブスクリプションは一回当たりの単価は低い傾向にあります。つまり、話題にただ乗っかってしまい、リピート率を認識しないままにサブスク風の料金設定を行ってしまった企業はどんどんと利益が下がっていってしまうこととなると思います。

 

次に顧客獲得コストです。

 

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この顧客獲得コスト(CAC)は、広告宣伝費と、今そのサービスを利用している顧客数から計算することができます。通常であれば、広告などのチャネルは複数用意していると思いますが、その広告は、一人当たりどれだけのコストがかかるのか?を見る必要があります。

 

なぜなら、その広告の費用と、その広告チャネルから何人の顧客を獲得できたか?までデータをとることができれば、「どのサービスにどのチャネルの広告をどれだけかけると売上が最大化する」というデータをとる事が可能だからです。

 

このLTVとCACが分かれば、「そのサービスに対する広告宣伝にどれだけのお金をかけることができるのか」を概算する事ができます。

 

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では、このロジックを使ってトゥエンティーフォーセブンはどうなっているかを見てみましょう。今回は顧客獲得コストは顧客維持コストまで正確に分解する事ができないため、トゥエンティーフォーセブンが最もLTVが低いパターン(顧客維持コストが低いパターン)と、顧客獲得コストを見比べてみることにしたいと思います。

 

・実際にトゥエンティーフォーセブンはどうなっている?

…と思いましたが、長くなってきたので今回はここまで!!!

この続きは、また書きます!