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上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

【ビジネスモデルのヒント】6割増益のNETFLIX!ビジネスモデルは超優秀。データ駆動の経営成績とは?

今回取り上げる企業はNETFLIX。直近の決算では6割増益したと発表されており、成長企業の代表格といってもいいでしょう。「自由と責任」を掲げるネットフリックスは人事などの本が有名ですが、決算書を覗いてみると、毎期毎期大きく成長している裏側には成長の為の財務戦略がありました。

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https://www.netflix.com/jp/title/80239462

 

今回は、そんなネットフリックスの前編。ビジネスモデル、経営成績がどうなっているのかを確認したいと思います。ネットフリックスのビジネスモデルは今はやりのサブスクリプションです。

 

サブスクは多くの企業が取り入れているモデルですが、実際に成功している企業の業績はどのようになるのか?について確認して頂くとイメージが付きやすいと思います。

 

NETFLIXのビジネスモデルを確認

 

ネットフリックスは動画が見放題のサブスクリプションサービスです。

 

四半期決算を確認してみると、売上も有料会員も定期的に伸び続けている、非常に強力なビジネスモデルを有する企業です

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ビジネスモデルが強いという定義は、サブスクリプションでは「ストックビジネスとして機能しているのか否か」です。

売上は基本的に「単価×顧客数×リピート数」ですが、ストックビジネスは、このリピートが上手く回っている状態を指します。

 

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ビジネスの最小単位を考えた時、このリピートがしっかりと増えていくというモデルは非常に強力に機能します。

このリピート数が多い企業は、一度購入してくれたお客さんが定期的にお金を支払い続けてくれる存在になる為、ユーザー数が増えていき、業績が安定するのです。

 

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実際、ネットフリックスは有料会員の人数が積みあがり続けている為、業績が安定するようになります。

 

 

次に構造的なビジネスモデルの優秀さを確認してみましょう。

脳科学者であり世界的なマーケッターが提唱しているビジネスモデルの仕組みでは、ビジネスモデルは「認知→おとり商品→リピート商品→本命商品」というようにサービスや商品を組み合わせているかで分解できます。

 

認知はお客さんに知ってもらうことですね。面白いのは次のおとり商品。

サービスを認知したユーザーに対して、おとり商品を用意しておくと、売上が40%も伸びるというデータもあるそうです。

で、リピートしてもらう仕組みを用意して、その裏側で本命の商品を用意する。こんな感じの流れを作ると、ビジネスモデルとして優秀であると言われています。

ネットフリックスに当てはめるとこのような感じです。

 

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CMでの宣伝はもちろんのこと、現在ネットフリックスでよく聞く声は「オリジナルコンテンツが面白い!!!」というもの。認知は既に十分だと言えますね。

 

で、実際に無料体験してもらい、サービスに加入するかを決める時に、値段設定は3種類用意されてます。

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https://www.netflix.com/signup/planform

設定価格は3種類。どれもコンテンツを自由にコンテンツを見ることができ、違いは「画質」と「同時に視聴可能な画面数」のみ。機能的にはほぼ変わりません。

このように、ネットフリックスも複数の値段設計を組みながらおとりを作っているんですね。

 

サービス自体は毎月継続型のモデルなので、まさにリピート商品だと言えます。とはいえネットフリックスはデータ産業。データを扱う企業はスイッチングコストが非常に低くなります。(簡単に変わられやすいって事です)

 

ここを維持する為に、ネットフリックスの鍵になるのはオリジナルコンテンツでしょう。

競合は多く存在しますが、NETFLIXはオリジナルコンテンツがどんどん配信される為、見飽きることなく視聴を継続する人が多いようです。

 

とは言っても、優秀なコンテンツを作り続けることは普通に考えて非常に難しい。ネットフリックスがその壁をどのように乗り越えているかというと、優秀な監督を引っ張ってきているのです。

 toyokeizai.net

 

ネットフリックスの大ヒットを記録した「ハウス・オブ・カード」ですが、この監督を口説き落とす際に使われたカードは「どのように映画を探しているのか?」「どこで、いつ、何時間見ているのか?」などの、契約社の視聴パターンを細かく分析した顧客データでした。

 

ネットフリックスは作品に巨額の製作費を投じることでも有名ですが、結局このように大きく張ることができるのは、その結果リターンを十分に得られる可能性が高いという判断に基づいての事。

 

ネットフリックスは、その成長の源泉に顧客データを置いているのだと思います。その結果、面白いコンテンツを作り続けることができるという好循環が生まれているようです。

 

では、こんな感じでサブスクリプションモデルを組むことに成功した企業はどのような経営状況になっているのかを確認してみましょう。

 

NETFLIXのコンテンツにお金をかけるという行動は、財務諸表に結果として表れる。

 

 

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ネットフリックスの損益構造は売上に対して原価が60%近くを占めます。これは、1作品当たりに掛けるお金が大きい為、コンテンツの原価が高くなっているように見えますが、実はからくりもあります。(次の記事で書きますので、ひとまず原価が高く、コンテンツに多額の投資を行っているという事だけ確認してください。)

 

ネットフリックスは直近の四半期決算での売上が5500億を超えるのですが、未だに前年度比+30%で成長しています。その成長の源泉は、この原価が示す通り、投資をし続けているということでしょう。

 

もう少しストレートに、コンテンツに対する投資額を見ても、NETFLIXの投資額は年々増加しています。

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直近3カ月のコンテンツへの投資額は3940億円。これはネットフリックスの保有キャッシュに肉薄します。ちょっと想像してみて欲しいのですが、持っているキャッシュを3カ月で全て投資に回すという事は可能でしょうか?普通なら危なくてとても不可能です。

 

しかし、この投資をし続けなければネットフリックスのような高い成長率はとても望めない。これはどうやっているのでしょうか?

 

事業で儲けているからそれで再投資している?

 

いえ、ネットフリックスがとてつもなく儲かっているのは事実ですが、その儲けた利益の何倍もコンテンツに投資しています

 

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ではどうやってこれだけの投資額を確保し続けているのでしょうか。ここは正に財務が分かっているのかの部分です。

 

財務が分かっているか、それに対応して財務戦略を組めているかで、この投資ができるかが変わってくるのです。

ではどのような財務戦略なのか。

 

次の記事で確認したいと思います。

 

終わりに

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました!

このような優れた企業のビジネスモデルと損益構造、そして財務戦略をインプットしてもらって、勝てるビジネスを構築してもらいたいと考えています。

 

今回の企業は参考になりましたでしょうか。

 

財務戦略については突っ込んだ話を聞きたい場合にはセミナーに。銀行の決算書の見方をザックリ知りたい場合には過去記事をご覧ください。

個別に話を聞いてみたい場合にはメールして頂ければと思います。

 

それでは!

 

NETFLIXの過去記事はこちら

 

www.finance-seisekihyo.com

 

5年で85%の企業がつぶれる現状を何とかしようよ

 

 

今の日本は5年で85%の企業が潰れてしまいます。企業が潰れる理由はひとつだけ。現預金が尽きるから。お金が無くならないと会社は潰れない。でもお金に対する知識がないから潰れていってしまうのです。

 

しかし、現在の日本は調達天国です。調達の際の金利は数パーセント。

これは世界市場の資金調達コストに比べて倍近く低いコストです。

これは大きなチャンスなのに、うまく利用できていない企業が多いのは非常にもったいないと思います。

 

企業が成長する際にもお金が必要不可欠ですが、その成長の為の投資を行うにあたって、自社で儲けた利益のみで賄うのは日本の税制上不可能です。

 

節税は企業の体質を脆弱化させます。

 

そうなると、銀行からの資金調達を戦略的に利用することこそ、今の日本の企業に必要な思考です。

 

調達に成功し、大きな現預金を持つ企業は更に成長していきます。私はビジネスモデルがしっかりした企業が、資金を大きく調達して一気に成長していく姿を何度も見ています。このことからも分かる通り、経営を加速させるためには、ビジネスモデルと財務の両輪が必要なのだと実感しています。

 

「赤字の企業には銀行はお金を貸してくれない」

「借金は借りたら返さなくてはいけない」

「融資を受ける時には、保証や担保がとられるのは当たり前だ。」

「覚悟を示すために保証に入る」

 

これらは全て間違いです。

しかし、社長にはややこしい数字周りや銀行の勉強も、理解も必要ありません。最初に企業の状況、投資先、調達後のビジョンなどのヒアリングのお時間を頂けますと、その後は私が御社の財務戦略を支援します。

 

その間、あなたはご自身の事業に集中し、その磨いた事業であなたの顧客を幸せにして下さい。今やるべきは、資金調達の為に掛けている時間を買い、本業に集中することです。

そして、調達した資金を元に的確な投資を行い、更に顧客を幸せにしていただければと思います。

 

セミナー等もやっているので興味ある人はお声がけを

 

 

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