Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

資金調達しやすい決算書の考え方 その①銀行の決算書の見方を知ろう!

はじめに

 

今回は銀行の資金調達について。経営者の皆さんであれば、企業が成長する為には投資が必要なことは充分お分かりだと思います。

 

 

その中でも、大きく早く成長する経営者の殆どは、資金は外部から調達し、ライバル企業と比べて効率的な投資を行い、一気に成長していくというマインドを持っています。もしこれを読まれている経営者の皆さんが成長志向を持っているとすれば、銀行の決算書の見方が分かっていないのは大きな武器を失っているに等しい。

 

大きく早く成長していく企業の経営者は多くが、銀行の論理を理解し、応援される決算書を作っているのです。応援してもらえる決算書は、銀行の理屈を知り、財務戦略を立てていくと作っていくことができます。

 

成長企業の発展の一助になれば幸いです。

 
詳しい話をする前に… 基本的な考え方

 

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会社から見た銀行の大きな役割の一つに資金調達が挙げられます。その際に注意するポイントがあるのですが、大前提として、銀行員は、決算書を「数字における当事者の考え方が反映される」と考えるということに注意してください。

社長の意思をそこから読み取ろうとしますし、更に言うと税理士が作成している決算書の費目も見るそうです。

 

なので、経営者の皆さんがどんな税理士と組んでいるかは意外と重要です。税理士が決算書を「税務申告のツールだ」としか見ていない税理士であれば、その決算書は銀行員から見てマイナスの印象を受けることすらあるという事です。

 

具体的には、同じBSでも、作り方・説明の仕方で格付が変わり、調達額が大きく変わってくることも多いので要注意です。

 

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 この辺りの理屈も、反響があればおいおい書いていこうと思います。

 

まずは、経営者にとっては決算書は資金調達の生命線であり、銀行との会話のツールであるということを認識してください

 

では、銀行員は決算書をどう見ているのか。そしてどこを重要視しているのかについて詳しく見ていく事にしたいと思います。

 

銀行員が注意してみるポイントは4つ(今回は2つ)

 

銀行員がまず確認するポイントは複数ありますが、

①運転資金

②貸した金が会社の外に流れていないか?

③PLでまず確認される部分とは

④粉飾があるかないか

の4つを見ています。

 

一つずつ見ていきましょう。

 ①運転資金とは何か。注意するべき点は?

 

運転資金とは、「売掛金+在庫-買掛金」の事。BSの図解をすると、下記の部分の差額がそれに当たります。

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この運転資金、銀行から融資がおりやすいです。何故融資がおりやすいかは、この返済の原資が売掛金だからです。つまり回収がされる事がほぼほぼ確定しています。銀行が最も気になる部分である、「貸した金はちゃんと帰ってくるのだろうか?」という所の懸念点が少ないことが融資がおりやすい根拠になります。

 

ただ、このように融資してもらいやすい部分なので、当然「粉飾決算」して融資をしてもらおうとする人も出てきます。運転資金を水増しして、運転資金が多くて現金が足りない!だから融資して!!という訳ですね。

 

当然ですが、銀行はこのような操作がないか疑ってかかります。ですので、この部分には通常銀行から決算書の修正が入ります。業界の平均水準をベースに「本来の売掛金はこれぐらいだろう」と修正されるわけですね。

 

しかし、企業の実態は千差万別。色々な企業の事情があり、業界の水準より売掛金が多いという事もざらにあります。なので、融資を申し込む際には、売掛金や在庫、買掛金の数字の適正さを示すようにしましょう。適正さを示すという事は、企業の実態を銀行にしっかりと説明するという事です。

 

ちなみに、適正さを示すためにも、決算書で何点か書いてはいけない記載、載せてはいけない費目があります。(★特に在庫に気を付けてください。)

 

 

分かっている経営者はこの企業の実態を正確に伝える努力をします。しかし、分かっていない経営者はそのまま決算書を郵送してしまいます。郵送している企業は「今まで損してたんじゃない?」と思ってもらって間違いないと思います。更に、その決算書はそのような理屈が分かっていない税理士が作っている可能性もあります。そんな中でどうやってうまく資金を調達できるのでしょうか?

 

決算書はそのような意味でも非常に重要だという事を覚えておきましょう。

 

だからこそ、融資の申し込みの際には、この運転資金の部分はしっかりと説明できるようになっておかないといけないのです。一番重要な部分だからこそ、しっかりと準備する事が必要になってきます。

 

 

また、税理士はこの額はあまり言及しないことが多いですが、実際には企業経営で最も重要な「キャッシュフロー」に大きな影響を及ぼします。資金繰りが厳しいと感じたら、まずこの部分のサイトを見直してみてください。

 

(注) ちなみに、大企業はこのような事を十分理解しています。例えばAmazonは、利益を出す以前はこの運転資金のサイトをいじってキャッシュを創出していました。ソフトバンクは買掛金のサイトが非常に長い時期もあったようです。このように、様々な方法を使って大手企業は自社の資金を増やそうとします。しかし本当は、中小企業こそこの部分はこだわらないといけないのです。

 

近年伸びているマザーズの企業などはこのサイトを有効活用している企業も多いです。キーワードは「前受金」

 

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 この辺りやサンサンなどの財務諸表は参考になると思います。

 

 

②「貸した金が外に流れてる」と判断されないために、気を付けるべきポイントとは。

では②を見てみましょう。「貸した金が会社の外に流れてんじゃね。」と判断されるポイントとはいったい何でしょうか。最もメジャーなものは「社長貸付金」ですね。この部分が、今までの借入金とみあっていると基本的に融資は相当厳しくなります。

 

銀行は「自分たちの貸したお金が社長の懐に流れている」と判断する為です。

 

そんな風に判断されると融資が難しくなるのは当然ですね。なので社長貸付金は基本的には0にしましょう。もしくは、年々返済して毎年のBSから徐々に徐々に減らしていっていくことです。ただ、気を付けて頂きたいのは、社長の知らないところで税理士が社長貸付金の仕訳を切っている場合があります。

 

経営者が知らないところで社長貸付金という銀行融資に相当不利な条件の費目が載ってしまうという非常に怖い事例ですが、なぜこのような乖離が起こるのかというと、税理士が決算書を「税務申告のツール」として見ているからです。

 

分かっている経営者はこれを少なくしていきますが、分かっていない経営者はこれを放置してしまいます。税理士も放置してしまいます。

 

なぜなら、税務申告上は社長貸付金がついていたとしても何の問題もないのです。このように、視点の違いからくる決算書作成の方法は意外ととても怖くて、これによって融資が下りたり下りなかったり、融資額が上下したりという事が実際に起こり得ます。

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他にも、社外流出費目は貸付金の他に3つほどあります。これらも意識していない限り、決算書に知らないうちに計上されてきます。知らないうちに計上されていて、それによって銀行の評価が下がってしまうとしたら非常に怖いですね。

 

創業から5年以内などの急成長している企業の場合、決算書のこのような部分にまで意識がいかないことも多くあるでしょう。そんな時に税理士に聞くことが多いのですが、税理士は税務業務の方を見て作業を進めている…という非常に寂しい現状が起きています。

 

結果的に銀行員から応援されない決算書になって、成長の機会を逃してしまうのです。

 

このような事にならないためにも、銀行の論理を理解して、銀行から応援される決算書を作り、十分にキャッシュを持った状態でいい打ち手を打てるようにしていきましょう。

 

他の銀行員の確認ポイントに関しては今後書いていくようにしたいと思います。

 

5年で85%の企業がつぶれる現状を何とかしようよ

 

今の日本は5年で85%の企業が潰れてしまいます。企業が潰れる理由はひとつだけ。現預金が尽きるから。お金が無くならないと会社は潰れない。でもお金に対する知識がないから潰れていってしまうのです。

 

しかし、現在の日本は調達天国です。調達の際の金利は数パーセント。

これは世界市場の資金調達コストに比べて倍近く低いコストです。

これは大きなチャンスなのに、うまく利用できていない企業が多いのは非常にもったいないと思います。

 

企業が成長する際にもお金が必要不可欠ですが、その成長の為の投資を行うにあたって、自社で儲けた利益のみで賄うのは日本の税制上不可能です。

 

節税は企業の体質を脆弱化させます。

 

そうなると、銀行からの資金調達を戦略的に利用することこそ、今の日本の企業に必要な思考です。

 

調達に成功し、大きな現預金を持つ企業は更に成長していきます。私はビジネスモデルがしっかりした企業が、資金を大きく調達して一気に成長していく姿を何度も見ています。このことからも分かる通り、経営を加速させるためには、ビジネスモデルと財務の両輪が必要なのだと実感しています。

 

「赤字の企業には銀行はお金を貸してくれない」

「借金は借りたら返さなくてはいけない」

「融資を受ける時には、保証や担保がとられるのは当たり前だ。」

「覚悟を示すために保証に入る」

 

これらは全て間違いです。

しかし、社長にはややこしい数字周りや銀行の勉強も、理解も必要ありません。最初に企業の状況、投資先、調達後のビジョンなどのヒアリングのお時間を頂けますと、その後は私が御社の財務戦略を支援します。

 

その間、あなたはご自身の事業に集中し、その磨いた事業であなたの顧客を幸せにして下さい。今やるべきは、資金調達の為に掛けている時間を買い、本業に集中することです。

そして、調達した資金を元に的確な投資を行い、更に顧客を幸せにしていただければと思います。

 

セミナー等もやっているので興味ある人はお声がけを

 

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直近のセミナーは満員御礼になりました。ありがとうございます! 

 

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