Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

大ピンチの企業を救った、マクドナルドの財務戦略。実は中小企業でも使えるよ。

企業の赤字が止まらず、ドンドンお金が無くなる事がはっきりと分かる。これはかなりの恐怖感を伴う出来事です。

そんな時にどんな手を打つのが効果的なのでしょうか?実際にそのような状況から復活した企業が行った施策とは何でしょうか?今回は、そんな荒波を見事乗り切った企業、マクドナルドについて。

 

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マクドナルドは、2015年に異物混入事件を起こしてしまい、大きな大きな大きな騒動になりました。

そして、当然その騒動はマクドナルドの業績を直撃。

 

えげつない赤字を計上してしまいます。

 

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しかし、ここからマクドナルドは凄かった。マクドナルドはリカバリーの為に様々な手を打ちます。その甲斐あって利益はどんどんと回復し、見事にV字回復を果たしています。

 

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ここでマクドナルドを救ったのは、銀行調達をフル活用するという財務戦略でした。

 

マクドナルドと言えどもこの大きな荒波は何もせずに乗り切れるものではありませんでした。しかしマクドナルドは、立て直すために必要な時間を迅速に稼ぎ、その間に見事に立て直しました。

このような時間軸を稼ぐ際に必要な考え方は、少々応用すれば中小企業も使える戦略ですので、頭に入れておいていただけるといいかと思います。

 

マクドナルドの売上減少はものすごいインパクト。

 

その前に、マクドナルドの異物混入事件がどれだけのインパクトがあったのかを測る為に、複数の企業を比較してみましょう。

 

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めちゃくちゃ大きなインパクトだったのが見てとれると思います。 

詳細は省きますが、マクドナルドは店舗や人件費が多額にかかる「固定費」が多いビジネスモデルです。このモデルでは、売上減少は財務内容の悪化に直結してしまいます。

 

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実際にご覧いただくと分かりやすいと思います。

赤字幅が最も大きくなった2015年のマクドナルドの損益構造は、売上減少の影響により売上総利益率が1%しかありません。

 

これは、マクドナルドの原価計算に一因があります。マクドナルドの原価は、「ハンバーガーをつくる為の材料費」「経費」そして、「ハンバーガーを作る人たちの労務費」が計上されています。

 

この人件費は、ハンバーガーの売れ行きに関わらず出ていく費用です。これを固定費といいますが、マクドナルドは、この固定費が大きい為、売上が下がればそれに比例して利益が圧迫されます。

 

売上が回復した2018年の決算においても売上総利益は20%しかありませんね。これは、裏を返せば「売上が下がると赤字になるリスクが大きい」という事でもあるのです。

 

 

さて、飲食店業界の構造を確認したところで、売上が大幅に減少した当時の状況を確認しましょう。

マクドナルドの赤字は実に2014年で220億円、2015年で350億円です。キャッシュ・フロー計算書を確認しても、2015年には実に280億円のキャッシュがマクドナルドから流出しています。

 

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このキャッシュフローの推移を見て頂けるとお分かりいただける通り、2013年の期末時点で600億近くあった現預金は、2年で8億円まで減少しています。このように数字を見ていくと、マクドナルドであっても潰れてもおかしくない状況だったことを物語っています。

 

危機的なマクドナルドが打った、参考にするべき一手とは

 

この資金は再生に必要だったとはいえ、それを何の手も打たずに実行してしまうと、先ほど見たように手持ちの残額がほとんど残りません。再生案を実行に移しているとは言え、これではマクドナルドは潰れてしまいます。

 

 

そんな時に利用されたのが「銀行からの調達」でした。

 

 

 

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財務活動CFとは、「外部から調達した資金の額の増減」を言います。今回の場合で言うと銀行から借りています。

 

マクドナルドは、改革の為の時間を資金調達で稼いだのです。現預金が無くならなければ、どれだけ赤字でも企業は潰れません。

でもキャッシュがなくなると、その瞬間にどんなに素晴らしい企業でも潰れてしまいます。それが分かっているマクドナルドは、業績を立て直す為の時間軸を調達で賄ったのです。

 

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図で見るとこのような感じですね。売上が下がって、現金が流出している部分を補填するように固定負債(一年で返さなくてもよい資金調達)が増加しています。

 

これは一見して意図的な手当てであると分かるレベルですね。

 

このように資金を確保した間に、マクドナルドは様々な改革を実行。社長が全国を回り直接顧客と対話することにより、生の情報を取得。その後に執り行われた改革は、非常に的を得当たモノだったようです。

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実際に、マクドナルドはこれで立て直すことができました。キャッシュフローをもう少し長い時系列で見てみると、マクドナルドのキャッシュフローはその後しっかり回復している事が分かりますね。

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ビジネスモデルを立て直すことができた結果、現在は本業で今まで以上に大きなキャッシュを産み出すことに成功しています。立て直すための時間軸を稼げた結果といえるでしょう。

 

 

どんなに素晴らしい企業にも、いい時もあれば当然悪い時もあります。そんな企業が、悪い時期にキャッシュ保有量が少ないという一点で無くなってしまう

 

これは現実に起こり売る事態です。

 

そうならない為の時間軸を外部の調達で稼ぐという視点は、大企業だけではなく、

中小企業も持っておくべき視点なのではないでしょうか。

 

とはいえ中小企業はこのままでは使えない。中小企業がこの戦略を使う為に重要なこととは?…についてはnote(https://note.mu/financerecords/n/n5c098e5e37d3)に!

 

ここまで読んでくださってありがとうございました!この記事で大体2500字くらい。

noteに関しては、倍程度の文字数を掛けて、さらに詳細に分析したり、中小企業がこのマクドナルドの財務戦略を使うにはどうすればいいか?などを書いています。

https://note.mu/financerecords/n/n5c098e5e37d3

 

企業を成長させていきたい方、マクドナルドの構造などを更に詳しく知りたい方に読んでいただきたいです。

 

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