Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

メルカリの国内事業と海外事業に見る、「出してもいい赤字と出してはいけない赤字」について。

今回は、メルカリの決算書を使って、「投資をすればするほど伸びている事業」と「まだまだこれからの投資フェーズの事業」の損益構造の違いを見ていきたいと思います。

 

企業の投資とは、当然「調達・投資・回収」のセットです。投資フェーズにある事業の損益構造はどうなっているのか。そして回収フェーズにある事業の損益構造はどうなっているのかなどを見ていきましょう。

 

国内メルカリは「回収フェーズ」であり、投資をすればするほど回収ができるような構造になっています。一方海外メルカリは「投資フェーズ」。

 

一体どのような違いが出てくるのでしょうか。

 

それでは、確認していきましょう。

 

メルカリは中古品業界の仕組みを破壊した

 

いきなり話の腰を折って大変申し訳ありませんが、ここが理解できていると話が非常に速いので、まず、基本的なビジネスモデルから確認していきたいと思います。

メルカリは、「消費者が不要になった商品を売買する場を提供する」というマーケットプレイスです。

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メルカリは商品を仕入れず、場を提供するだけです。初期段階では顧客の数が非常にネックになってきますが、そのユーザーが集まると、メルカリは商品を自身で仕入れる必要はありません。

 

 

結果、非常に効率的なビジネスモデルになっているのです。

 

 

従来の中古品業界は店舗でユーザーから仕入れて他に売るモデルを取っています。

このようなオールドな業態と、スマホが出てきてから生まれたニュービジネスの間には、全く異なる利益率が顔を出してきます。

 

比較してみましょう。f:id:parrrrrao:20190902175444p:plain

 

メルカリは他企業に比べて、この売上総利益が突出しています。どの企業と比べても倍近くの額がありますね。

これは、他の企業が商品を扱っているのに対して、メルカリはデータを扱っている事から生じる差です。

 

このように、ITを使ったビジネスモデルの変革は、業界の構造を破壊するレベルのインパクトがあるのです。

 

では、そんなビジネスモデルが組まれている直近のメルカリの決算の損益構造を見てみましょう。メルカリはガッツリ赤字を計上していますね。

 

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しかし、赤字は出していい赤字と出してはいけない赤字に分かれます。

2つの考え方を使って確認するのですが、その内の1つは「売上が伸び続けている状態」にあるか否かです。

 

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上記の図のように、メルカリはトップラインであるGMV(取引総額)とMAU(月に一回メルカリを利用したユーザー)が伸び続けています。

 

このように伸び続けている市場においては、拡大できるまで拡大しきった方がいいです。詳細は割愛しますが、伸び続けている間は赤字になっても拡大し続ける選択を取った方がいい事もあります。

 

とは言っても赤字は、事業そのものからキャッシュを獲得できていない状態なので、もう一つの条件も確認したほうがいいのですが、メルカリはその条件もしっかりとクリアしています。

 

総合的に見て、メルカリは今の所、「出しても問題ない赤字を出している」状態です。この状態であれば、企業が成長するまで頑張って耐えることができます。

 

このような構造は、嵐の場面を絶えることができるので、このような構造になる企業は非常に強いです。

 

ビジネスの最小単位を5つの数字で確認する

 

さて、次は投資をすればするほど収益が伸びていくという構造であることを見ていきたいと思います。

 

企業は結局のところ、「顧客を集めて、サービスを提供し、お金を頂く」という構造です。

この構造は、究極的には5つの数字に集約されます。

 

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①~③は売り上げ。④、⑤は顧客を獲得する際の宣伝費や維持費です。

 

国内メルカリは、これらの指標が非常に優れています。この指標が優れているとどうなるかというと、収益性が劇的に改善します。

 

実際、全体でみると赤字だったメルカリは、国内メルカリと海外メルカリで分けた際には国内は既に利益を得ることができている事が分かります。

 

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逆に言うと、USメルカリはこの5つの指標の内のどこかが悪いのです。これを企業の投資フェーズといういい方もできます。

回収フェーズにある事業と投資フェーズにある事業の損益構造は、このように一見したら違いがはっきりと分かります。

  

この5つの指標はビジネスを数字で確認する際非常に有用なので気にしておくといいかもしれません。

 

そしてこれは中小企業でこそ効果があります。

 

一度自社のビジネスがどうなっているのか確認しても面白いかもしれませんよ。

 

何でそうなるの?の具体的な分析はnoteにて公開しています。

 

ご覧いただきありがとうございました!

この記事で十分今のメルカリの現状はご理解いただけると思いますが、より詳細に分析した記事もあります。

 

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(noteの分析記事の一部です。)

https://note.mu/financerecords/n/nbf80eebd57f9

 

「赤字でも大丈夫」という判断をする為に必要な指標は何なのか?

「5つの指標」を実際にメルカリに当てはめるとどうなるのか?

 

などについてはそちらのサイトに載せています。ニッチな部分ですが、「より詳しく知りたい!」という方や「経営のヒントに!」という方にお勧めです。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!

 

 メルカリ関連記事はこちら 

 

 

 

www.finance-seisekihyo.com

 

 

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財務分析は企業の力になる(はず)

 

我々財務会計を担う人間は「社長が本業を通して顧客を幸せにすることに集中する」為の財務分野のパートナーであるべきと考えて財務分析を行っています。

 

 私は資格として税理士を保有していますが、驚いたことがあります。

それは普通に税理士をしているだけではお金のこと、企業の財務の事は分からないという事実です。お金が増えても何で増えたのか分かりません。何で減ったのかも分かりません。

 

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事業の収益性を事前に評価し、リターンが得られるかどうかを判定するスキルも、自分から学んでいない限り、恐らく得てはいないでしょう。

 

ですが、税理士は社長に最も近い存在である士業であり、財務分野のパートナーになるべき存在。

 

だから私はいろんな企業の分析を行い、そのノウハウや分析スキルを自分の顧客に全力で注ぎます。そして重要なのは、これらの数字をどう使えば経営に役立つのかを理解している事です。

 

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企業ごとに財務モデルを組んで、経営者の望む利益を達成するにはどのような目標が最適かなどの視点はこれらの分析から学んでいます。

投資の際の意思決定において、「いい投資か悪い投資か事前に判断する」という思考も、これらの財務分析から身に付けた一つです。

 

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私は「社長は自身の事業を磨くことに集中でき、磨いた事業は社長の顧客を幸せにする。その為に私が社長の財務を担う」という関係性を提供します。

 

このブログでは財務分析に特化していますが、手元現金が増えていく為の財務戦略構築、銀行からの資金調達、資金繰りの管理などを行っています。

 

企業を発展させる鍵は社長にあります。財務は非常に強力ですが、社長は自身の企業の経営のキーとなる数点の指標を把握していればいい。

 

理解する必要もない100ある財務情報を聞くのはもうやめましょう。本質的に重要な数点のみ認識しましょう。そして社長は、自身の顧客を幸せにすることに集中してもらいたいと思います。

 

自分が愛する顧客を幸せにすることに集中できる環境を想像してみてください。

私は財務の面からそれをサポートしていきます。

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(financerecords.management@gmail.com)