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上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

【経営のヒント】社長は元ガンバ大阪のJリーガー。急激に伸びているSOUの成長の源泉とは?

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今回は今まで取り上げてこなかった中古品業界について取り上げてみます。中古品業界ってなんだか古臭いイメージがあったんです。加えて、メルカリが出てきて顧客を一気に持っていかれているイメージ。

 

しかし、そんな中、業界独自のポジションを築き、一気に業界No.2にまでのし上がった企業がありました。

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https://www.ai-sou.co.jp/

企業の名前はSOU。関西発祥のベンチャーで、社長はガンバ大阪でプレーしていた元Jリーガーの嵜本晋輔社長です。

コメ兵などの大手企業がひしめき、メルカリなどの新興企業が台頭するような中古品のリユース業界で、SOUは独自のポジションをフックにして、一気に業界2位の地位まで上り詰めました。

今回は、そんなSOUがどのように一気に成長し、現在の経営成績はどのようなものなのかを見ていく事にしたいと思います。

 

中古品のリユースという業界はどのような全体像なのか。

 

SOUの成功の秘密を知るには、まず業界の全体像を知らなければなりません。なぜなら、その業界の全体像をあえて外した先にSOUの成長源泉があるからです。

リユース業界は基本的に「中古品を仕入れて、販売する」というビジネスモデル。

 

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店舗であろうとECサイトであろうと、基本的にこの流れは変わりありません。

 

SOUやコメ兵が取扱商品はいわゆる「ブランドもの」と呼ばれるものや宝石が中心。この業界の市場規模は約2400億円ほどになります。

 

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そして、この業界において重要なのが「仕入」の部分。仕入のメインは個人からの買取であり、仕入れ量が安定しないことがままあります。

この仕入れの部分をどう安定させるか?は企業の一つの特色が出る部分です。

 

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また、例えば贋作を仕入れて販売してしまうと、その企業は一気に信頼度を損ねてしまいます。盗品を仕入れてしまうというリスクもありますね。

それらの対策として、仕入れの際には鑑定士が真贋を判断し、仕入れを行う必要があります。

 

このように、中古品を仕入れて販売するというビジネスモデルは、仕入れの部分が非常に重要であり、「何を仕入れることができたのか」によって業績も左右されるという性質を持つビジネスであるということができます

 

次に販売サイドも見てみましょう。

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販売サイドとして特徴的なものは「個人」の他に「中古品販売業者」という同業者が入っている所。先ほど申し上げたように中古品のリユース業界は、仕入を安定させることが非常に難しい業界。

なので単純にユーザーに再販売するというだけでなく、同業者に対してオークションで販売するというのも選択肢の一つに入ってくるのです。

 

 

二つの販売先には、一般顧客の方が高単価だが売れるかどうかが分からない。一方、同業者は、買取単価は安くなりがちだが、一般顧客に比べて販売スピードは速いという特徴があります。

 

この販売チャネルをどう組み合わせて仕入れてきた商品を販売するのかも、1つ大きな論点になり得る部分だと思います。

 

全体的な業界の流れを確認したところで、SOUの詳細を見ていきたいと思います。

 

SOUはリソースを集中させたことによって伸びてきた。

 

では、業界の全体像を把握したところで、SOUはどのように差別化してきたのかを見ていきましょう。

SOUは、通常の中古品のリユースとは一線を画す形となっています。

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SOUは仕入部分と販売部分について明確に分断されています

 

まず仕入部分から見ていく事にしましょう。

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SOUは仕入の部分において、「ネットを有効に活用している」「店舗を買い取り専門にしている」という2点が特徴になります。

順に見ていきましょう。

 

まずはネットの活用です。今時どこもネットなんざ利用してるだろ…と思いましたが、なんとSOUの来店時の客はオンライン経由が90%

Web集客も自社で行い、成長企業であるにもかかわらず、広告宣伝費は売上の2.7%に留まっています。

 

また、LINEで写真を撮ると、おおよその買取査定額を教えてくれるサービスも提供していますが、このサービスを利用した査定依頼者の約20%は実際に来店し、その25%は買取成約までこぎつけているようです。

 

つまり、SOUはネットを上手に活用して、売却意欲の高いユーザーを効果的に集客することに成功している企業であるということができます。

中小企業においてもSEO対策は非常に重要になってきていると思いますが、このように明確に企業の業績に影響が出るまでになりつつあります。

 

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また、SOUの店舗は仕入のみを行うという点も特徴的です。中心は「なんぼや」という店舗なのですが、この店舗は基本的に買取のみを行い販売は行っていません。

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販売まで行ってしまうと管理コストが跳ね上がるというのがその理由のようですが、現在はこれが大成功。結果として出店スピードが非常に早くなり、業界3位である大黒屋の倍近い店舗を保有することに成功しています。

 

では、この仕入れた商品をどのように販売しているのでしょうか。

 

次に販売サイドを見てみましょう。

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中古品のリユースにおいては、業界としては基本的に買取と販売の店舗を一致させて効率化を図りますが、SOUは販売の90%近くをオークション販売で同業他社に販売しています。

 

この同業他社に販売するという戦略はSOUの在庫の回転率を大幅に高めました

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回転日数を他社より短いという事は、仕入れてから販売までの日数が短いという事。

 

この業界大手3社の回転率を比較すると、SOUの回転率が他社より20日以上も短いことが分かります。

 

 

しかし、当然デメリットもあります。オークションで同業他社に販売するという事は、その購入者はまた別の顧客に販売するので、一般顧客に販売するのと比べるとどうしても購入単価は安くなる傾向にあります。

 

 

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3社の売上総利益率を比較してもそれがよく分かります。同じ宝石やブランド品を販売したとしても、個人客への販売をメインにしているコメ兵や大黒屋の方が利益率が高いです。

 

では、SOUが販売先を同業者に絞って回転率を上げることによってどんなメリットがあったかというと、売上の伸びが劇的に変わってきたのです

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創業は2011年ですが、その後もぐんぐんと成長を続け、あっという間に売上300億円に到達しています。(M&Aも行っていますが、基本的には企業成長によるものが大きいです)

 

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同業他社と比べてみても、売上の伸び率という意味ではSOUは圧倒的。コメ兵や大黒屋が伸び悩んでいるのを尻目に、ぐんぐんと成長を続けています。

 

売上が伸びた原因は、ブルーオーシャンを見つけることができたから。

 

ではなぜこれだけ売上を伸ばすことができたかというと、やはり販売先を同業他社に絞ったことが大きかったでしょう。

 

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リユース業界は安定的な仕入れを確保する事が全体的な課題として存在します。SOUはその課題を解決するような形のビジネスモデルを組みました。

 

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結果として、強力な競合がほとんど存在しない格好に。

 

しかも、このモデルは既に規模が大きいライバル企業はまねすることができません。

一般顧客に販売するモデルを既に取っている以上、構造的に同業他社に販売される商品は売れ残りになる事が多いのではないでしょうか。

 

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これは仕入れ量に限界がある以上仕方ない事だと思います。

実際に、仕入れのオークションを経験した方にヒアリングすると、オークションでは商品は画像で確認するので、詳細な内容が分からない。いいと思っていた商品が実は質が悪かった。という事も実際にあるようです。

 

売上が他社に依存するというリスクはもちろんあるでしょうが、リユース業界のこのような構造を考えた場合、SOUの立っているポジションは今後も求められるポジションであり、成長は今後も続きそうだなという印象を受けました。

 

業界の全体像を理解し、どのポジションでどんな商品を届けるかというのは企業の成長において非常に重要ですね。

 

このような面白い企業がありましたら、今後も取り上げてみたいと思います。

 

財務分析をする理由

 我々財務会計を担う人間は「社長が本業を通して顧客を幸せにすることに集中する」為の財務分野のパートナーであるべきだからです。

 

 私は資格として税理士を保有していますが、驚いたことがあります。

それは普通に税理士をしているだけではお金のこと、企業の財務の事は分からないという事実です。お金が増えても何で増えたのか分かりません。何で減ったのかも分かりません。

 

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事業の収益性を事前に評価し、リターンが得られるかどうかを判定するスキルも、自分から学んでいない限り、恐らく得てはいないでしょう。

 

ですが、税理士は社長に最も近い存在である士業であり、財務分野のパートナーになるべき存在。

 

だから私はいろんな企業の分析を行い、そのノウハウや分析スキルを自分の顧客に全力で注ぎます。そして重要なのは、これらの数字をどう使えば経営に役立つのかを理解している事です。

 

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企業ごとに財務モデルを組んで、経営者の望む利益を達成するにはどのような目標が最適かなどの視点はこれらの分析から学んでいます。

投資の際の意思決定において、「いい投資か悪い投資か事前に判断する」という思考も、これらの財務分析から身に付けた一つです。

 

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私は「社長は自身の事業を磨くことに集中でき、磨いた事業は社長の顧客を幸せにする。その為に私が社長の財務を担う」という関係性を提供します。

 

このブログでは財務分析に特化していますが、手元現金が増えていく為の財務戦略構築、銀行からの資金調達、資金繰りの管理などを行っています。

 

企業を発展させる鍵は社長にあります。財務は非常に強力ですが、社長は自身の企業の経営のキーとなる数点の指標を把握していればいい。

 

理解する必要もない100ある財務情報を聞くのはもうやめましょう。本質的に重要な数点のみ認識しましょう。そして社長は、自身の顧客を幸せにすることに集中してもらいたいと思います。

 

自分が愛する顧客を幸せにすることに集中できる環境を想像してみてください。

私は財務の面からそれをサポートしていきます。

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