Finance Records

財務諸表や決算書は企業の成績表!!さまざまな分析を通して財務の面白さをお伝えします。

「儲かっているか」を知るためには売上だけ見てはダメ。企業分析、経営分析の為に利益の役割を理解しよう。

事業を運営していたり、投資をしていたり、はたまたニュースで企業の業績を聞いたり。そんな時、「売上高○○%増!」と聞くと「儲かったな!」と思ったりしませんか?

 

実はそれは幻想です。本来事業で儲かっているのか、会社が強くなったのかどうかを確認するところは売上ではないのです。もちろん成長性を見るという意味で売上を確認することは非常に重要です。しかし、売上は企業の経営の一側面でしかないことは認識しておくべきかと思います。

 

今回は、一例として、日本マクドナルドホールディングスの財務諸表を時系列で確認し、そのことを見てみたいと思います。

 

売上高と純利益は比例しないことがある。

 

では、まずマクドナルドの2007年末~2018年末の売上高です。

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マクドナルドは2014~2015年にかけての食品異物混入事件から劇的なV字回復を達成しています。

 

しかし、2018年末の売上は前年に比べて伸びているものの、例えば2008年の売上には依然遠く及びません。このように売上高だけ見ると、2008年の方が明らかに儲かっていますね。

 

しかし、最終的に残る当期純利益を見てみると、2008年に比べて、むしろ2018年の純利益の方が高くなっています。

 

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この事だけでも、企業を見る際には、「売上○○%アップ!」という部分のみを見ていればいいという訳ではないということがお分かりになるかと思います。

 

事業が儲かっているかの確認は「営業利益」

 

売上だけを見ても儲けの実態を理解することはできません。企業が儲かっているのかを知るためには、まずは「営業利益」を確認することです。その理由をご説明します。

 

企業の会計は、「売上から費用を差し引いたものが利益」だという、非常にシンプルな構図で成り立っています。そして会計では、利益は5種類あります。ややこしいですね(笑)しかし、当然5種類ある利益は、それぞれ示す役割が違います。

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上の図はマクドナルドの損益構造です。青が売上などの収益、オレンジが費用で、残ったものが利益になります。売上から費用が引かれて1つ目の利益である「売上総利益」に、そして次の費用が引かれて2つ目の利益である「営業利益」に。…

この「何かの費用を引いたら利益の呼び方が変わる」というシンプルな構図が理解できると、利益はスッと理解することができます。 

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5つの利益の名称は、①売上総利益、②営業利益、③経常利益、④税引き前当期純利益、⑤税引き後当期純利益の5つなのですが、

経営の視点で見ると、「①ハンバーガーを売って得られる利益」「②「マクドナルド」という事業で得た利益」「③マクドナルドという企業を経営し、トラブルがなかった場合に得られた利益」「④マクドナルドという企業を1年経営して得られた利益」「⑤マクドナルドという企業を経営して、税金まで払って得られる利益」というように読み替えが可能です。

 

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では、営業利益は何かというと、「「マクドナルド」という事業で儲けた利益」を指します。

 

その企業が儲かっているのか知りたければ、まず「企業が行っている事業で儲けを得られているのか?」を確認するといいでしょう?

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その為、儲かっているかを知るためには、営業利益を確認することが非常に有効なのです。そして、その営業利益が変化していれば、「何が変わったのかな?」を考えていけば、企業の変化をよりリアルに体感できますよ。

 

このように、各利益の役割を把握しておくことで、企業の現状を飛躍的に理解しやすくなります。

 

では次回は、その営業利益の時系列を確認し、そこから何が分かるのか?を書いていきたいと思います。

 

 時系列分析の記事書きました。 

 

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財務諸表の簡単な分析方法はこちら

 

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