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上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

成長速度が規格外!売上が3年で1700%成長している「and factory」のビジネスモデルを分析!

今回は、爆速で成長中である「and factory」について見てみましょう。

先出しさせていただくと、and factoryはIOTが将来の核であり、ホテル業からくる生態データの取得を行っていることが非常にユニークなビジネスモデルになっています

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そのビジネスモデルを確認する前に、まずその圧倒的な成長率を見て頂きたいと思います。

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2014年に創業した企業なのですが、2015年の1億1200万円の売上を基準にすると、2018年末時点では19億1600万円。売上高が2015年比1711%も成長し、もうすでに利益も上がっています。

とんでもなく爆速で成長している事がお分かりいただけるでしょうか。このような企業のビジネスとは一体どのようなものなのでしょうか。確認していきましょう

 

ビジネスの柱は2つ(アプリ事業とIOT事業)

 Andfactoryで提供されている事業は大きく分けて二つ。

アプリ事業とIOT事業になります。

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アプリ事業は継続して売上を積み重ねることができています。詳細は後に回しますが、売上のメインは「マンガアプリ」と、ゲームの攻略サイトである「最強シリーズ」。特にマンガアプリは大きく成長していますね。

 

次にIOT事業について見ていきましょう。

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IOT事業は&「HOSTEL」「STAY」「IOT」の3つに分かれています。これに関してはモノがすべてテクノロジーに紐づくというIOTが絡んでいます。

そして、2018/Q4の売上が激増していますね。これは自社で開発した物件の販売を完了したためです。この2018年のQ4に売上が激増しているのは、マンガアプリの順調な成長とこの物件売却が大きな理由を占めていそうです。

 

and factoryを取り巻く前提条件を確認

 さて、まずはand factoryを取り巻く前提条件を見てみましょう。近年のスマホのアプリ開発のメインストリームはゲームかマンガの2つだそう。スマホのゲーム事業の市場規模は9600億円、電子書籍事業の市場規模は2241億円で、まだ成長中。

その内、現在のand factoryの得ている売上は、ゲーム事業は4億2900万円、マンガ事業は売上が4億6600万です。

 

そして、第4次産業革命の中心にあるのはIOT(モノのインターネット接続化)であると言われています。この事業はこれから更に成長していく可能性を秘めています。これらのことから、戦略次第で、and factoryはまだまだ成長可能性を秘めているということができます。

 

しかし、流行っているという事は参入も多いという事。大企業でもない限り、全ての事業に参入するなどどれだけリソースがいくらあっても足りません。

 

しかも、and factoryの財務諸表を見る限り、2018/8/31時点での従業員数は65名(アプリ事業31名、IOT事業22名、本社12名)と、従業員は明らかに足りていない状況です。

 

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こんなリソース不足の中で、いったいand factoryはどのようなビジネスを構築しているのでしょうか。詳しく見ていくことにしたいと思います。

  

and factoryのビジネスモデルと詳細を確認

①アプリ事業:その根幹は「競合しない」こと

 まずアプリ事業です。

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アプリ事業は大手と組んでのオリジナルコンテンツの配信と、ゲームアプリの攻略サイトである「最強シリーズ」の運営がメインです。

マンガやゲームは、先ほど見たようにスマホのアプリ業の中ではかなり成長業界であると言われています。しかし、その分競合も多い。

そんな中、and factoryはユーザー数を順調に増やし、MAU(1ヵ月でアプリを利用した利用者数)や、ARPU(ユーザーが一度の利用で支払う金額)は上昇し続けています。

 

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このような背景には、「その業界の企業と競合しない」という、and factoryの事業構築の仕方がありました。

 

例えばマンガ事業ですが、電子書籍事業はまだまだ発展中です。そして、その電子書籍の約7~8割がマンガだと言われています。マンガを押さえておくことは、電子書籍業界を押さえるために非常に有効といえるのです。

 

しかし、一からマンガを制作してもらうには非常にハードルが高い。有名な漫画家さんはジャンプマガジンサンデーなどにすでに在籍していますし、電子書籍業界にもすでに競合は多々いています。新興企業がこのような漫画家さんを抑えようとすると、大手とガッツリ競合するでしょう。

 

そこで、and factoryがとった戦略は「大手企業と手を組んで発展していく」ことでした。

 

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And factoryがユニークだと思ったのは、「一からマンガやゲームの製作をするのは非常にリスクが高い」⇒「だとしたら、漫画は大手と組み、ゲームは人気ゲームの攻略サイトに特化してコンテンツ作成はやめよう!」と決断した点です。

 

そして、データ分析が可能という強みを生かし、読まれるコンテンツの共通点を分析し、ヒットにつながるヒントも提供しているのだそう。

 

このような考えから、漫画は集英社や白泉社、スクエアエニックスなど次々と大手と組んでサービスを立ち上げ、

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そして、ゲーム事業では攻略サイトを作り、次の一手はそのゲームの公式アプリになることだそうです。

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このように、自社でコンテンツを作るわけではなく、「他企業のビジネスをさらに加速させるような周辺事業」を強化している点は非常に興味深いといえます。

  

②IOT事業:今後のand factoryの柱となるか

 次に、IOT事業を見てみましょう。

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IOT事業はスマートホテル運営、ホテルの業務短縮サービス、複数のIOTを一括管理するサービスなどが提供されています。IOT事業の売上は2018/Q4において激増しています。これは、自社で調達した物件が販売できたためです。(今期も12億円の大阪の物件を仕入れています。)

 

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IOT事業も大企業を中心としたパートナー企業との連携を行って事業の拡大を狙うというコメントがあります。私は、このIOT事業の行く先は非常に面白く、「居住データを取ってくる」という事をゴールにしているように思います。

実際、IOT事業の事業図を見ると、IOTのデバイスから得られるデータはand factoryが押さえるような流れになっています。

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(左下に「データ提供」がある点に注目)

 

この事から、and factoryはただ最新の事業を行うという単純なものではなく、生体データを押さえようとしているように感じます。ちょうど中国のライドシェアを通じで、中国企業がデータを集積したように、今後価値のある情報とは人間の生活データです。

 

このようなポイントを抑えることができれば、これ以降のand factoryの事業展開の意図も読めるような気がします。

 

それでは、そのような目で各フェーズを見ていきましょう。

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まずフェーズ1。ここではITをホテル業に適用しているようです。

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 まずはインバウンドの増加。宿泊施設が圧倒的に足りていないことから、宿泊施設を提供しようという事のようです。

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https://andhostel.jp/ueno/

例えばand HOSTELを見てみると、「近未来のIOT空間を楽しめる体験型宿泊施設です。」という記述がみられます。

 

次にフェーズ2を見てみましょう。

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ホステルだけでなく、タブレットサービスや宿泊管理システム、IOTデバイスを連携させたプラットフォーム事業を展開するつもりのようです。

この事業では、「宿泊客が、どれだけ滞在し、タブレットで何を検索し、どのような情報を見たのか」というデータを収集することが可能で、最終的にはビッグデータとして集積することを狙いとしているようです。

 

そして最後のフェーズ3

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こちらはまだ事業として本格的には稼働していませんが、フェーズ1.2でのデータ集積により知見がためた先は、大学やシェアハウスなどに横展開していくことを狙っています。最終的には家の鏡を見るだけで体調を把握したりすることができる「スマートハウス」も目指しているようです。

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https://mirainoie-project.jp/

いかがでしたでしょうか。このように、宿泊事業とITを掛け合わせることは、今後「データ集積」という目的で見てみると非常に有効な一手だと個人的には思います。

皆さんはどのように思われるでしょうか。

以上、「最先端の技術を扱いつつも、他企業との協業をベースに競合をつくらずに成長し続けるand factory」のビジネスモデルについて取り上げました。

 

この企業からは学ぶべき所がたくさんある気がしますね。

上記のビジネスモデルを、財務的に分析した記事はこちらです。

良かったらご覧ください。 

www.finance-seisekihyo.com

 

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(出典がついている部分以外のスライドについては

ttp://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03752/bb97552e/873a/45fe/9df6/20d2a726755f/140120181015417929.pdf

http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03752/7706a7f3/da40/4c89/918e/5f828a986625/140120180906404255.pdf

からの出典となります。)