Finance Records

財務諸表や決算書は企業の成績表!!さまざまな分析を通して財務の面白さをお伝えします。

BUYMAの非常にユニークなビジネスモデル。財務諸表を見ると明らかに儲かっているエニグモについてレビュー!

今回は「エニグモ」という企業を紹介したいと思います。

 

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http://www.enigmo.co.jp/business/buyma/


エニグモは、「世界を買える」というフレーズの名の通り、世界中のアパレルを購入できる「バイマ」というサービスを提供しています。

 

 

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http://www.enigmo.co.jp/ir/whats_enigmo/

そして、そのビジネスモデルは非常にユニークですので、確認していきたいと思います。

顧客と顧客を繋げるビジネスモデルは非常にユニーク

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http://www.enigmo.co.jp/ir/whats_enigmo/

BUYMAは、ZOZOTOWNやFarfetchのように「個人がネットで洋服を買える」というマーケットプレイスなのですが、その売り手は世界中に住んでいる個人。

 

つまり、ブランドや販売店から直接購入するものではなく、海外在住の人が売り手として商品を販売しているという事です。CtoCのプラットフォームであるという意味ではメルカリと少し近いかもしれませんね。

 

BUYMAの優位性としては、売り手が現地価格で買い付けできるという点が上げられます。

 

例えばユニクロなどは、我々からすると「安くて品質のいいものを買える」というイメージですが、海外に行くとその値段は日本と比べるとかなり高いそう。

 

これが実はハイブランドなども同じです。あるハイブランドは、日本では行っていないセールなどもEUでは行っているようです。このように、日本ではかなり高くなるハイブランドも、EUなどでは期間を見極めれば多少値段を抑えて買える。

このような地域差を活かして、日本にいながら海外の商品を購入可能にしたのがBUYMAのユニークな点でしょう。

 

BUYMAの商品の売り手は「パーソナルショッパー」と呼ばれ、世界中に点在しています。この「パーソナルショッパー」たちは個人個人で独立しているため、お互いの競争原理が働き、金額は適正価格に落ち着くことが多いそうです。

また、店舗やブランドからではなく、「パーソナルショッパー」から購入するため、ネット販売でよくありがちなサイズ欠けなどが存在しないという点も魅力的です。

 

BUYMAの儲かる仕組みとは?

そんなBUYMAですが、その内部の仕組みはいったいどのようになっているのでしょうか?

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http://www.enigmo.co.jp/ir/whats_enigmo/

図にするとこのような感じです。BUYMAが間に入って、「出品者(パーソナルショッパー)」と購入者を繋げるマーケットプレイスの役割を果たします。

このようなビジネスモデルは売り手と買い手の両方の流入が必要になってきますが、特に商品を探してくれる、売り手を確保することが重要になってきます。BUYMAは、この点において、出品者は購入者から注文を受けてから商品を買い付けしに行くことが認めるという工夫を行っています。

 

出品者だけでなく、購入者からも仲介手数料を取っている点も同じなのですが、BUYMAは「パーソナルショッパー」へのハードルを下げて売り手を増やしていっているのでしょう。

 

購入者は現地価格で商品を購入することができますので、出品者と購入者の諜報にメリットがあるようにビジネスモデルを組んでいるという点は非常に勉強になります。

 

エニグモの高収益体質は異常なレベル

では、そんなBUYMAを運営するエニグモは儲かっているのでしょうか。

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まずはこの損益構造をご覧ください。売上を100%とすると、売上原価は17%、販管費は41%しか掛かっておらず、最終的に法人税を控除しても29%もの利益が残ります。

 

これはZOZOSUITを出す前、ZOZOが最高の時価総額をたたき出した時の純利益率とほぼ同じ。かなりの高収益体質である事が分かります。かなり儲かりそうなエニグモの損益構造ですが、売上の実際額はどのようになっているのでしょうか。

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ご覧いただけると分かる通り、売上自体も成長していっていることが分かります。エニグモはアパレルブランドですので、重衣料が売れるQ4(11~1月)に一番成績が伸びやすいことが特徴的です。

 

では、営業利益はどうでしょうか。

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営業利益は基本的に一貫して利益を確保することができています。営業利益が十分に確保できているという事は、この事業が安定して優れたものであることを示しています。

 

ZOZOしかり、BUYMAしかり、Mマートしかりですが、現代のビジネスにおいてマーケットプレイスは一つの勝ちパターンとなっているように思います。しかし、ただマーケットプレイス業が儲かるという訳ではなく、このマーケットプレイスを日々改善して、顧客体験を向上しようとし続けている企業のみが勝っています

 

ここは、まだ黒字にはなっていませんが、Farfetchも同じことがいえると思います。

 

マーケットプレイスを外注してしまった場合、少しの改善でも手数料がかかるので毎日改善するという事が非常にやりづらい。自社で作っていくという気概を持って行っていくことが必要なビジネスでありそうです。

 

しかし、実際に自社で改善を繰り返し、ある程度の規模を確立することができた企業というのは比較的好業績を収められるようになっています。

 

どれだけ儲かっているか確認してみましょう。

 

エニグモは非常に儲かっている

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エニグモは、このように直近のCF計算書(これは2018年の半年間のCFです。)を見ると、投資額以上に十分のキャッシュフローを創出することができていますし、BSを見ても流動資産と純資産が大きい、事業が儲かっている企業に共通した特徴を備えています。

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この流動資産も内訳を見るとほとんどが現預金ですし、非常に儲かりやすい体質になっていますね。

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このように利益率も非常に高く、事業でキャッシュを十分に創出することができ、BSを見ても自らが稼いだ現金を多額に保有できる状態になると、新しい投資も容易です。

 

エニグモはここから旅行事業に乗り出すようですが、当面赤字が続いたとしてもこのBUYMAの創出してくれるキャッシュがエニグモの挑戦を後押ししてくれます。

 

財務的に見ても、ビジネスモデル的に見ても注目に値する企業であるといえるでしょう。

 

財後に、エニグモが挑戦しようとしているトラベル事業について簡単に見てこの記事を終えたいと思います。

 トラベル事業は本業が儲かっているからこそできる挑戦

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BUYMAが次に押し出そうとしているトラベル事業は「世界の体験を買える」という事をコンセプトにしたサービスです。

この原体験は社長がパーソナルショッパーさんに現地を案内してもらった経験に基づくそうその国に訪れた際、パーソナルショッパーさんが紹介してくれた食事屋さんは、ガイドブックにも載っていない、現地の人しか訪れないような穴場のお店だったようです。

 

このようなパーソナルショッパーが案内するトラベル事業は、旅行会社が提案するプランと異なり、現地に在住のパーソナルショッパーだからこそ提案できるユニークなプランであることを期待しています。

 

ここで特徴的なのは、エニグモがBUYMAで育てた「パーソナルショッパー」をフル活用している所。これはアパレルブランドから商品を卸しているZOZOなどに真似できるものではありません。

 

以上のように、エニグモは、BUYMAで囲い込んでいる「パーソナルショッパー」という財産を活かしてトラベル事業に乗り出そうとしている所は非常に印象的です。

エニグモが自社を「非日常を売る企業」と定義し、このような事業に乗り出したのは非常に興味深いですね。これからのエニグモについて期待してみていきたいと思います。