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上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

儲かったお金はどこに行った?ディズニーのキャッシュフローを覗いてみよう

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The Walt Disney Company

 ディズニーは世界的に多くの人を幸せにしている企業であることに反論する人はそんなにいないでしょう。日本でもミッキー、シンデレラ、くまのプーさん、、、多くの作品に心躍らせた方も多いのではないでしょうか。

 

そのようなディズニーを企業として見ると、当然のことながら売上も大きく、多くの利益を上げており、非常に儲かっている企業です。

 

しかし、実はディズニーは儲かっているにもかかわらず、BSを見ると現金はそんなに増えていません。儲かったお金はどこに行ったのでしょうか??

 

実は儲かったお金は多くが投資に回っています。実は、これは世界的に見ても、非常に強い企業の共通の特徴でもあります。

 

 

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 この辺りの企業などは顕著ですね。

 

 

実際、ディズニー全体の売上を確認すると、どれか一つの事業に偏るというよりは、メディア事業とテーマパーク事業を主体として、映画事業も個人消費の事業も売上をしっかりと上げることができています。

 

具体的に見ていく事にしましょう!

 

導入:ディズニーはどの事業も儲かっている

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そして、それは営業利益(事業を行った結果得られた利益)においても同様で、各事業赤字事業というものが存在せず利益に貢献しています。

 

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そして、各事業変動があるとはいえ、高い営業利益率を誇っています。

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このような利益構造をしているディズニーランドですが、儲かっているものの、ディズニーはBSを見る限り企業の現金は利益額ほどには増えていってはいません。

 

しかし、、、

 

現金はあまり増えていない

確認すると分かる通り、利益の1%分も現金は増えていません。

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儲かったお金はいったいどこに行ったのでしょうか?

 

現金はどのような理由で利益ほどには増えていないのでしょうか。その理由は、ディズニーの「キャッシュフロー計算書(以下CF)」を見れば分かります。

ディズニーは儲かったお金で投資と財務返済を行っている

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営業活動CFが「今期事業で稼いだお金」投資活動CFが「事業の投資の為に使ったお金」財務活動CFが「借入の返済や配当金への支払いのお金」です。

 

このように図で見ると、「ディズニーは事業でお金を稼いだのは確かだが、稼いだお金を事業への投資や借金返済や配当金に使った」というように見えます。

 

これが正しいのかどうか、詳しく見てみましょう。

営業活動CFは事業が儲かりまくっている

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一番左が純利益で、一番右が事業で稼いだお金です。一番左と一番右が最も多額であることがお分かりになるでしょうか。これは実質営業活動CFは「純粋に事業で稼いだお金が大半である」という事ができます。

ちなみに一番増えているものはDepreciation、すなわち減価償却です。これはテーマパーク事業などの大きな投資の場合、多額に計上される傾向にあります。

 

次に投資活動によるCFを見てみましょう。

投資活動CFはテーマパークへの投資

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一番左の投資額が最も多額ですが、これは[Investments in Park…]すなわち、「テーマパークへの投資」です。単位は100万円ですので、年間の投資額は4911億円です。実はこの額は非常に圧倒的。

 

東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの今年のテーマパークへの投資額はいくらかご存知でしょうか。

 

 「10分の1くらい?」「もっと多いんじゃない?」と、色々想像された方もいるかもしれません。

 

 

 

 

 

答えは234億円ディズニーはテーマパーク事業等への投資にオリエンタルランドの25倍近くの投資額です。

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このように図示するとその投資額の違いがお分かりになるかもしれません。

 そして、このように世界と比較すると日本で一番の企業でも世界一の企業と比べると全く歯が立っていないことが分かります。

 

企業がお金を稼ぐためには投資をし続けなくてはいけませんので、この投資額の差は世界との違いといえるかもしれません。ディズニーとオリエンタルランドの差は人口と土地の差でもありますが、ディズニーの投資額は現在オリエンタルランドが保有する現金全額分です。この差は大きいといえます。

 

 

さて、最後に財務活動CFを見てみましょう。ここには借入金の入金、返済や配当金の支払いなどが含まれています。ディズニーの財務活動CFを見てみましょう。

財務活動CFを見ると、資金調達コストが明らかに

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最も大きい額はRepurchases of common stock、すなわち「株式の買戻し」。株主への還元として自己株買いを行っているのでしょう。その次に大きいDividendsは「配当」。株主への配当です。

 

合計すると6700億。借入金等の支払いは純額で2800億円ですので、額としては非常に多額です。テーマパークへの投資も4900億円でしたので、実はディズニーは株主への還元にテーマパークへの投資以上に資金を費やしています。

企業は通常資金調達の方法として「銀行から借りる」「投資家から調達する」「自分で稼ぐ」の3つがありますが、「投資家から調達」という方法は実は調達するコストがかかります。

 

その代わり、投資家は企業が事業規模を最大化させる方が自身の取り分が大きくなるので不確実な投資を許容する傾向にあります。不確実性のある投資とはM&Aなどは代表的かもしれません。

不確実性のある投資をしていることはディズニーの財務諸表(BS)からも分かる

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上記はディズニーの資産ですが、色付けしたものはGoodWill、すなわち「のれん」が資産全体の32%も占めています。のれんとは企業が「M&A」した際に計上されるもの。

 

ディズニーは他企業をM&Aして成長してきた企業でもあるといえます(主にメディア事業)このような投資はリスクを伴うため、銀行からの借入だけでなく投資家からの調達を行っているのかもしれません。その代わり資金調達したリターンをしっかり支払っている。という構図になるのです。

 

纏めると、「ディズニーは事業でしっかり儲け、その儲けたお金をテーマパーク等への投資に回し、銀行への借金の返済よりは投資家への還元に多額の資金を投じている為見た目の現金はあまり増えていない」という事になります。

 

キャッシュフロー計算書はこのように、「儲けたお金をどのように使っているのか」が分かります。そして、日本企業と世界企業ではお金の使い方が違うようにも感じます。

 

終わりに

 

皆さんはどう思われたでしょうか。このようなお金の使い方は参考にした方がいいのかもしれませんね。

とは言っても実際にこれだけの投資ができるようになるステージは非常に高い。通常であればマネすることなど到底できるものではありません。

しかし、実際には自社が戦っている範囲においてライバル企業に対して厚く投資をして、差別化する事ができれば結果は大きく変わります

 

その投資の為にはディズニーを見ても分かる通り、「キャッシュ」 が必要になります。ディズニーはそのキャッシュを既に自身で稼ぎ出すことが可能です。

 

しかし、普通の企業ではとてもあそこまで稼ぎ出すことは難しいですよね。じゃあどうしますか??

日本で近い事をしようとすると、銀行からの調達が必要です。その為には銀行に応援してもらえるようにすることが大事。どのようにすれば応援してもらえるか??調達できるか?はブログ内の別記事や大阪でのセミナーなどでお伝えしていきます。

 

セミナーはブログではなかなかかけない、より突っ込んだ内容をお話してしていきますので今後お楽しみに!(一番下に追加しました!)

 

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5年で85%の企業がつぶれる現状を何とかしようよ

 

今の日本は5年で85%の企業が潰れてしまいます。企業が潰れる理由はひとつだけ。現預金が尽きるから。お金が無くならないと会社は潰れない。でもお金に対する知識がないから潰れていってしまうのです。

 

しかし、現在の日本は調達天国です。調達の際の金利は数パーセント。

これは世界市場の資金調達コストに比べて倍近く低いコストです。

これは大きなチャンスなのに、うまく利用できていない企業が多いのは非常にもったいないと思います。

 

企業が成長する際にもお金が必要不可欠ですが、その成長の為の投資を行うにあたって、自社で儲けた利益のみで賄うのは日本の税制上不可能です。

 

節税は企業の体質を脆弱化させます。

 

そうなると、銀行からの資金調達を戦略的に利用することこそ、今の日本の企業に必要な思考です。

 

調達に成功し、大きな現預金を持つ企業は更に成長していきます。私はビジネスモデルがしっかりした企業が、資金を大きく調達して一気に成長していく姿を何度も見ています。このことからも分かる通り、経営を加速させるためには、ビジネスモデルと財務の両輪が必要なのだと実感しています。

 

「赤字の企業には銀行はお金を貸してくれない」

「借金は借りたら返さなくてはいけない」

「融資を受ける時には、保証や担保がとられるのは当たり前だ。」

「覚悟を示すために保証に入る」

 

これらは全て間違いです。

しかし、社長にはややこしい数字周りや銀行の勉強も、理解も必要ありません。最初に企業の状況、投資先、調達後のビジョンなどのヒアリングのお時間を頂けますと、その後は私が御社の財務戦略を支援します。

 

その間、あなたはご自身の事業に集中し、その磨いた事業であなたの顧客を幸せにして下さい。今やるべきは、資金調達の為に掛けている時間を買い、本業に集中することです。

そして、調達した資金を元に的確な投資を行い、更に顧客を幸せにしていただければと思います。

 

セミナー等もやっているので興味ある人はお声がけを

 

 

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