Finance Records

財務諸表や決算書は企業の成績表!!さまざまな分析を通して財務の面白さをお伝えします。

ディズニーはやっぱり凄かった。売上分析すると見えてくる、ディズニーの圧倒的な"巨人"感。

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https://www.thewaltdisneycompany.com/
せっかくオリエンタルランドの分析を行ったので、今回はディズニーランドの親元であるウォルトディズニーの財務諸表の分析を行ってみましょう。

実はウォルトディズニーはディズニーランドの運営を行う企業ではありません。その実態はエンターテイメントの巨人。非常に巨大なコンマグリット企業です。
 

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https://www.thewaltdisneycompany.com/about/#leadership
その企業のミッションは、「エンターテイメントと情報の作り手であり提供者であること」だと述べています。「自社ブランドのポートフォリオを使って、世界で最も創造的で、革新的で、しかも有益なエンターテイメント体験とそれに付随するプロダクトを世界中に提供します。」(筆者意訳)とあります。

 

 ポートフォリオがあるという事は、複数の業態があるということでもあります。では、ディズニーランドの他に一体どのような業態があるのでしょうか。

 

ディズニーの事業は大きく分けて4つ

 

ディズニーのメインの事業として「Media Networks」「Parks,Experiences and Consumer Products」「Studio Entertainment」「Direct to Consumer and International」4つ挙げられます。

(以下https://www.thewaltdisneycompany.com/about/より。)

  

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まずは1つ目のメディア事業です。ディズニーチャンネルの他に、abc(アメリカ最大のメディアの一つのようです。)やESPN(NFL,NBA,プレミアリーグなどのスポーツ専用の放送局)などを傘下におさめています。

ディズニーがスポーツ系の放送チャンネルを保有している事が意外でしたが、男性のユーザーを獲得するための一手かもかもしれません。ちなみに、Huluの子会社化を狙ってか「FOX」の買収を狙っている(現時点で買収は決定したとも言われているようです。)ような動きのある事業です。
 


2つ目はテーマパーク運営の事業。

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東京ディズニーランドもここに入っています。当初アニメのみだったディズニーを「親子がともに楽しめる場所が必要だ」「ディズニーの世界観を実体化しよう」として始めたのがこの事業。ディズニーランドは世界に6つ(アメリカに2つ、上海、パリ、東京、香港)しかありませんが、ディズニーの資本が一切入っていないのは日本の東京ディズニーランドただ一つです。


 
3つ目は映画事業です。

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Pixar(トイストーリー・モンスターズインクなど)やMARVEL(スパイダーマンなど)などを買収して傘下におさめていますが、2012年にはスターウォーズのLUCAS FILMもゲットしています。

 
4つ目がConsumer Products & Interactive Media事業です。

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DtoC…店舗を介さずネット販売を行う形態などがメインのようです。消費者向けのグッズ販売や、ストリーミング配信などを行っています。近年世界的に非常によく見る業態であり、もしかしたら今後ディズニーの根幹を支える事業にまで発展する可能性を秘めています。

 

以上4つの事業区分ですが、ディズニーとしてのコンテンツを軸に、エンターテイメントや情報を主流に扱うコングロマリットな企業であるという事がよく分かると思います。では早速、ウォルトディズニーが儲かっているのかどうか?について見ていきましょう。

 

ディズニーは儲かっているのか?

 

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金額は1ドルあたり110円換算にしています。売上が6兆円強、売上原価が3兆3336億円、販管費で8993億円、原価償却を経て税金を支払い、最終的に1兆円近くの税引き後純利益が残っています。利益率はなんと17%。額自体は段違いですが、利益率はくしくもオリエンタルランドと同程度の利益率になりました。ディズニーはオリエンタルランドと似たような収益構造を持っているという事でしょうか。

  

せっかくですので、何回かを通して、「なぜディズニーが高い利益率を誇っているのか」を分析していく事にします。その第一歩として、この記事ではディズニーの売上を様々な角度から分解してディズニーの収益力の源泉を探っていきたいと思います。

 

ディズニーとオリエンタルランドを簡単に比較。

 まず簡単にオリエンタルランドと比べてみましょう。ディズニーの損益計算書に計上されている売上はServiceとProductに分かれています。放送とグッズでしょうね。その売上の違いから見ていきましょう。
 

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先ほどの事業構造からみると、「ディズニーやマーベルなどを放送し、そのファンにグッズ販売する」というモデルを取っていましたが、売上から見てもServicesが大半で、Productsが一部と、ビジネスモデル通りの収益形態になっています。

 

次にオリエンタルランドを見てみましょう。オリエンタルランドはテーマパーク事業をメインに据え、そこからグッズ販売や飲食店販売で利益を稼ぐモデルでしたので、グッズ販売も大きな売上になっています。
 

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オリエンタルランドはディズニーからテーマパーク事業を業務提携という形で運営していますが、規模感が異なるだけでなく、収益形態も大きく異なるようです。
という事は、ディズニーの収益のメインはテーマパーク事業ではないのかもしれません。事業別の売り上げを確認してみましょう。

  

ディズニーは驚異的な売上を上げている

 

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 この事業別の売り上げを見ると、Media Networks事業が最も大きく、直近では2兆5860億円の売上高を誇っています。テーマパーク事業は2番目に大きい売上で、なんと2兆円の売上です。

次が映画の売上。直近では売上は9216億円で1兆円を下回っています。グッズ販売の売上は5300億強です。 

グッズ販売だけでオリエンタルランドの売上を超えていますね。ここもオリエンタルランドの売上と、ディズニーの各事業の売上を比べてみましょう。一番左の緑色がオリエンタルランドの売上です。オリエンタルランドの売上はディズニーのテーマパーク事業と比べ物にならないことがよく分かります。文字通り「スケールが違う」と言えそうです。
 

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期も異なりますし、実際にはこの比較には大した意味はありませんが、ディズニーの規模感の物凄さが少し分かるグラフになったのではないかと思います。

 

ディズニーの売上はアメリカの大きさでもある?

 

この規模感の違いは一体何か。少し考えてみましょう。まず「ディズニー」と言えば世界中誰もが知っていそうです。対してオリエンタルランドは売上の源泉が日本のみ。ここは大きな差と言えそうです。

または、単純にアメリカが市場として大きいという可能性もあります。この疑問を解消するために、ディズニーの国別の売上を確認してみましょう。 

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アメリカが圧倒的に大きいですね。アメリカだけで売上が4兆5000億円を超えています。どうやらディズニーの売上の源泉は、世界的なブランドだからというより、本国の強烈な売上にあるといえそうです。アメリカってやっぱりデカいんですね。

 

ディズニーの売上のメインはMedia Networks事業で、その中でも大きな売上を上げているabcはアメリカ限定での配信サービスです。ディズニーはアメリカに大きな強みを持っており、意外とドメスティックな企業なのかもしれません。

 

ちなみに、abcのHPを覗くとこのようなストリーミングのサービスも行っていました。
 

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https://abc.go.com/shows
ディズニーのビジネスモデルとMedia Networks事業は非常に親和性も高いのでしょう。ディズニーのビジネスの強みの源泉は、「人を引き付ける強烈なコンテンツを数多く集め、それを広く発信するための手段を自社で保有する」という事にあるといえそうです。

 

ディズニーがマーベルやスターウォーズの買収に積極的であり、かつFOXなどの放送する側を積極的に買収するという行動は、ディズニーランドのこのようなビジネスモデルにもあるのかもしれません。

 

 以上、複数の角度からディズニーの売上を分析してきましたがいかがでしたでしょうか。コングロマリットな企業ではありますが、その事業が全てしっかりと繋がっている点は強いのかなと思います。

 

ディズニーは各事業の損益計算書も開示してくれていますので、次回は、本格的にオリエンタルランドとの比較を通してテーマパーク事業の実際について見ていきたいと思います。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

私がなぜ財務分析をしているのか

 

 

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