Finance Records

財務諸表や決算書は企業の成績表!!さまざまな分析を通して財務の面白さをお伝えします。

オリエンタルランドの財務諸表。BSを使って企業の特徴を読み解こう。

f:id:parrrrrao:20181225204036p:plain

【公式】東京ディズニーランド | 東京ディズニーランド

BSからは企業のビジネスモデルや経営に対する姿勢が伺えることがあります。例えば、以前ZARAを運営するINDITEXを分析したときにはその経営に対する真摯な姿勢が透けて見えるようでした。今回はオリエンタルランドのBSを見てみましょう。

  

オリエンタルランドのBSを確認

f:id:parrrrrao:20181224233827p:plain

こちらはオリエンタルランドのBSです。私はBSを見る際には必ず割合を付け、その大きい方から見ていきます。今回であれば純資産ですね。

 

最も割合の大きい項目は純資産

BSの真ん中から右側は、企業が「どのように資金を調達してきたのか?」を示しています。純資産はその中でも特殊で、PLで計算した利益が計上されていきます。

つまり純資産の割合が大きいという事は、「企業が自分で稼いできた割合が大きい」という事です。

 

f:id:parrrrrao:20181224233845p:plain

上記は純資産の内訳です。色を付けた「利益剰余金」という項目が最も大きく、純資産の全体の86%を占めているのがお分かりになるでしょうか。

この利益剰余金の増減の要因はその期のPLの「税引き後純利益」です。つまり、企業が儲かると利益剰余金が増え、逆に赤字になるとこの数字が減少するという事になります。

 

f:id:parrrrrao:20181224233859p:plain

 

17年期末と18年期末の利益剰余金の差は67,696。この期のPLの当期純利益は81,191です。税引き後純利益と利益剰余金の数値が一致しないのは配当の分です。PLでは表示されませんが、実際にBSに計上される利益剰余金は「税引き後の親会社の純利益-配当金」分だけ計上されます。

なぜ投資家の方が債権者よりリスクを背負っているのか?

 ちなみに、これをもって「投資家は債権者よりリスクが大きい」と言われる事があります。債権者とは銀行などの貸し付けをする者のこと。銀行はたとえ企業が赤字でも支払利息として返済をしてもらえますが、投資家は企業が国に税金を支払った後の利益からしか配当はなされません。

f:id:parrrrrao:20181108114710p:plain

儲かったら配当が出るが、儲からなかったら一切のリターンが得られない。そういった意味で、投資家は債権者よりも大きなリスクを背負っています。

 利益剰余金は増え続けている=儲け続けている

少し話がそれましたが、いずれにしてもBSの右側で最も大きい数字が「利益剰余金」であるオリエンタルランドは本業で非常に儲かっている企業であると言えます。

 

f:id:parrrrrao:20181224233912p:plain

時系列で見ても、この利益剰余金は毎年増加し続けておりますので、オリエンタルランドは「ここ数年は儲かり続けている企業である」という事ができます。

 

BSの左側(企業の投資内容)を確認

f:id:parrrrrao:20181224233919p:plain

次はBSの左側を見てみましょう。オリエンタルランドはテーマパーク事業に投資し続けていかなくてはならない為固定資産が非常に大きい…と言いたかったところですが、固定資産の方が大きいものの流動資産(1年以内に現金に変わる資産)も40%を占めています。

 

流動資産の大半は現預金

この流動資産はいったい何でしょうか。

 

f:id:parrrrrao:20181224233928p:plain

これの内訳を確認すると、現預金が最も大きく、全体の81%を占めています。その保有現金は2963億円。オリエンタルランドは非常にお金持ちな企業であるという事ができます。

ちなみに、前回キャッシュフロー計算書という財務諸表を分析しましたが、その際に期末の現金は1863億円として計上されていました。

f:id:parrrrrao:20181224233938p:plain

この現金の数字と全然違うじゃないか!と思われる方もいらっしゃると思いますが、これはキャッシュフロー計算書の定義する現金は、「直近三か月以内に自由に使える現金」を指します。定期預金など、1年以上預金しなければならないという制約のある預金はキャッシュフロー計算書の現金にはならないのです。

 

ですので、BSの2963億とキャッシュフロー計算書の1863億の差である1100億は定期預金であるという事ができます。

固定資産はやはりテーマパークへの投資

 

オリエンタルランドは定期預金も含めて非常に多額の現金を保有している企業であることが分かりました。では、次にオリエンタルランドの利益の源泉であるテーマパークなどが計上されている固定資産を見ていきましょう。

f:id:parrrrrao:20181224233948p:plain

こちらはやはり予想通りというべきか、建物と土地で全体の70%を占めています。オリエンタルランドのビジネスモデルはテーマパークがメインでしたので、その土地とテーマパークやホテルに投資していることを考えると納得の割合です。

 

f:id:parrrrrao:20181225205255p:plain

http://www.olc.co.jp/ja/ir/library/presentations/2015/main/02/teaserItems1/00/tableContents/02/multiFileUpload3_0/link/p2016-02.pdf

このように定期的に再開発も行っていますので、必然的に額は大きくなっていきます。

 

その他私が注目したのは「建設仮勘定」です。こちらは実際に使用可能になる前の有形固定資産に投資している額が計上されるのですが、近年この額が激増しています。

建設仮勘定を見ると企業が今後何にいくら投資するのかわかる 

f:id:parrrrrao:20181224233957p:plain

このグラフの伸びの正体は新しいアトラクション「ソリアン」とディズニーランドの大規模拡張の準備のようです。

f:id:parrrrrao:20181224234008p:plain

f:id:parrrrrao:20181225204915p:plain

http://www.olc.co.jp/ja/ir/library/presentations/main/02/teaserItems1/00/tableContents/02/multiFileUpload3_1/link/sp2019_02.pdf

オリエンタルランドはテーマパークであり、構想が固まったとしても建設開始から一年で完成しないこともしばしばですので、この建設仮勘定をチェックし続けていればオリエンタルランドが次何に投資するつもりなのかという事が分かります。

 

また、上の表の一番右側をご覧いただくと、この2つの設備投資の資金調達方法が「自己資金」から調達するという表記があります。これは本業でしっかりと稼いでいて、現在も非常に多額の現金を保有しているオリエンタルランドだからこそできることですね。

 まとめ

オリエンタルランドのBSについて見ていきましたがいかがでしたでしょうか。

BSからは、「オリエンタルランドは非常に多額の現金を有しており、テーマパーク経営の企業であるため有形固定資産への投資は非常に多額に上る。そしてオリエンタルランドが今後何に投資していくのかを確認するためには建設仮勘定の詳細を見てみることが一番の近道。また、資金調達の方法は純資産が最も多く、これはオリエンタルランドが自分でお金を稼いだお金が中心であるという事を示している。」という事が見えてきましたね。

 

非常に優良企業であるオリエンタルランド、今後の拡張された後の企業の成長に期待したいと思います!

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!

 

オリエンタルランドの関連記事はこちら

 

www.finance-seisekihyo.com

 

 

www.finance-seisekihyo.com

 

 

www.finance-seisekihyo.com