Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

この企業、なんで業績上がったの?が分かる財務分析方法をご紹介

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https://hamee.co.jp/company/commerce

HameeのPLについて見ていきましょう。PLは現在の企業の損益構造が記載されています。企業が儲かる体質なのか、逆にそうではないのかが分かります。

 

今回の記事では、Hameeの損益構造が4、5年で改善されて行っている事。その改善の原因が何であるのか。そしてその分析方法について書いています。

 

PLは売上を見て増加しているのか?減少しているのか?を見る事がまず重要。ですが、それだけでは少し浅い分析になってしまいます。もう一歩進んで、深く、根拠のある分析を行う事が出来たら素晴らしいと思いませんか?

 

ビジネスマンの方にとっては相手先の強みや弱みも分かります。自社の打ち手がどのように業績に反映されているのかもわかります。就活生にとってはこの情報自体が大きな差別化要因になります。経営者の方にとっては自社を客観的に眺め、他社と比較をするいい手段になるかもしれません。

 

では、そんな風に深く分析を行うために、PLをグラフ化してみましょう。

 

グラフ化するとこんな感じ

 

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これがHameeの損益構造。一番左の売上から「売上原価」が引かれ売上総利益が残り、また売上を上げるために必要な費用である「販売費および一般管理費」が引かれて営業利益が残ります。

営業利益に至るまでの「売上原価」と「販管費」が大きく引かれていることが一見して分かりますね。

 

割合を加えてみると以下の通りになります。

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売上原価で売上の約半分が引かれ、また販管費で売上の40%が引かれています。営業利益は事業から得られた利益を示しますが、これは大体売上の10%ほどしか残らない。という構造になっていることが分かるかと思います。

 

と言っても、これだけではなかなかピンとこないと思います。そこで、数年前と比較して分析を行っていきましょう。

 

比率分析で変化を捉える

 

営業利益までに限定して、営業利益までの割合を載せてみます。

 

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データが減り少し見やすくなりました。これを、4年前の損益構造と比べてみましょう。

 

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同じ事業なので基本構造は同じですが、その割合に変化が見られます

 

例えば売上原価が10%近く改善され、販管費は3%ほど増えています。その結果として、事業規模は拡大しているにも拘らず営業利益は5%も増えるように収益構造が改善されています。

 

このように、損益構造を自社の中で比較すると、「どこが変化した?」という事が分かるようになるのです

 

そして、PLの分析では損益構造をグラフ化するだけで、企業の収益性が大きく改善している事も感覚に掴めるようになります。 

 

ここからは中級編、売上原価と販管費の変動原因を見ていきたいと思います。

 

売上原価が改善した理由は何?

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さて、損益構造を直近のものと4年前のもので比較すると、売上原価が大きく改善されていました。恐らくスマホケースの売上原価が大きいでしょう。

 

改善理由はスケールメリットにより仕入単価が下がったり、自社製造により原価を抑えられたりといった理由が考えられます。色々データを漁ったところ、スマホケースの「自社商品比率」というデータが決算説明会資料に載っていました。

 

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これ以降このデータの開示は無くなってしまいましたが、この割合を見ると、自社商品比率が上昇しています(最終は61.8%)

 

これを見ると、売上原価の減少は「自社商品比率の上昇」が大きなキーになっていると思います。

 

販管費の増加要因は何か?

 

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次に販管費を見てみましょう。こちらは4年前に比べてむしろ販管費は売上の36%から39%に上昇しています。

 

これの原因は何でしょうか?一度数値を比較してみましょう。

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パッと見は給与と支払手数料が大きく増えています。しかし、もう少し感覚的に理解できる方法があるのでそれを使ってみましょう。

 

それは「成長率計算」という方法。成長率計算とはある年度を基準として、どれだけ成長しているのか?を調べる方法です。今回は4年前を基準として、そこから主要な販管費のどれが成長しているのか?を調べてみます。

 

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いかがでしょうか?4年前に比べて、給与と支払手数料がどれだけダイナミックに上昇しているのかがお分かりになるかと思います。支払手数料はHameeの主力事業が現在スマホケース販売である為、売れば売るほど楽天やロフトなどに支払う手数料が増大します。これは売上と共に増えていく宿命にあると言えるでしょう。

 

人件費も事業拡大に向けては必要な費用な支出であると言えるでしょう。特にプラットフォーム事業が伸びてきている今、人件費を抑える必要性は特にありません。

 

よって、販管費の上昇はある程度許容の範囲に収まっているのではないかと思います。

 

ここでポイント整理。原因分析をする時は時系列に沿って分析をしてみてください。するとこのように原因をあぶりだすことができます。簡単ながらパワフルな方法でおすすめです。

 

まとめ

 

まとめます。Hameeの損益構造を確認すると、売上原価と販管費で売上の90%近くを取られる構造になっていました。しかし、4年前の損益構造と比較すると売上原価が大幅に削減され、販管費は逆に上昇しています。

 

その原因を探っていくと、売上原価の減少は自社製品の増加、販管費は事業成長に伴う支払手数料と人件費の増加が原因でした。

 

このような結果から、Hameeは「必要な所にはしっかり投資して、他方で売上原価など自社努力で減らせるところはしっかりと減らす」という企業であるという印象を受けます。

 

皆さんはどう思われたでしょうか。

 

次回はBSについて見ていきますね。

 

 

 

参考になる記事

 

Hameeのビジネスモデルについては

www.finance-seisekihyo.com

 

 を、損益構造を掴むためのグラフの作り方については

 

www.finance-seisekihyo.com

 

 をご覧ください。