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ただのスマホケース販売屋さんじゃない!?Hameeのビジネスモデルが面白い!

Hamee(ハミイ)という企業をご存知でしょうか?スマホケースであるiFaceを作っている企業です。 

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iFace 日本公式

楽天市場などで販売されていますのでご覧になったことがある方も多いかもしれません。


スマホケースで上場する企業ってどんな企業なんでしょうか。実はこの企業のビジネスモデルはただのスマホケース販売屋さんではなく、非常の面白いビジネスモデルになっています。事業は大きく分けてコマース、プラットフォーム、グローバルの3つあります。 

 

第一の事業は人気商品のあるコマース事業

  まず主力事業であるコマース事業(通販事業)

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(https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS71035/5692c035/d5cc/46ce/88b5/8bc559fa1041/140120181211448139.pdf)

ブランディングをしっかりやっている影響ももちろんあるのでしょうが、常に楽天のスマホケースの人気ランキングの上位を占めています。独特のフォルムがかわいいですね。

 

このデザインの他にも他社からスマホケースを仕入れて販売を行っています。

楽天以外にも多様なチャンネルで販売しており、小売事業、ロフトやヴィレッジヴァンガードに卸す卸売りなどが現在の主力販売チャネルです。

 

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事業内容 | Hamee株式会社

 

では、そんなスマホケース販売の現在の売上状況をグラフ化してみます。
 

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小売業と卸売業、どちらも大体半々ほどの売上です。四半期のうちQ3の売上が最も大きいですね。

Q3は11/1~1/30でクリスマスや正月が重なる時期。クリスマスプレゼントやお年玉でスマホケースを購入する人がいることを考えると、この時期に売上が増加するのは納得できますね。

 

売上の伸びから企業の置かれている環境も分かる

Hameeの置かれている競争環境についても軽く見ておきましょう。Hameeの売上の増減分析を数年前のものと比較すればOKです。

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数年前までは卸売が非常に好調に伸びていたのですが、現在はその卸売りの伸びが止まっており、代わりに海外売り上げの伸びが増加しています。

この事からも、ECサイトの事業は変化が激しい環境に置かれており、様々な施策をテストし、当たったものを拡大していく戦略が適している業界であると思われます。

 

この分野は当たったら大きい反面、すぐに商材が飽きられてしまうリスクも秘めている事業です。これだけでは事業としてのリスクが大きいのですが、Hameeは次の事業が収益に安定性をもたらす二つ目の矢になる可能性を秘めています。

 

 第二の事業、PF事業はHameeの将来の柱

 それが2つ目の事業であるPF(プラットフォーム事業)です。事業名は「ネクストエンジン」
 

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https://next-engine.net/

EC事業者のサポート業のようです。
 

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(https://next-engine.net/


ネットショップ運営者は注文が入ると「在庫確認→受注処理→出荷指示」というようなルーティーンを行います。現在のアマゾンや楽天の出荷スピードを考えると、この業務は非常に激務であることが推測されます。

Hameeはこの後ろ側のルーティーンを自動化させるネットショップ支援サービスを行っています。

 

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https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS71035/5692c035/d5cc/46ce/88b5/8bc559fa1041/140120181211448139.pdf


これがウケており、現在契約者数は右肩上がりになっています。この事業のいい所は2点あります。

 

プラットフォーム事業がHameeにもたらす二つのメリット

 

まず1つ目は月額性になっている事。
 

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https://next-engine.net/


利用料金は月額10,000円+受注件数に応じた従量課金で、月額のSaaS事業になっています。
SaaSはネット経由の「月額○○円」というサービスの事。先ほどのスマホケースの販売事業は売り切り事業で「売ったら終わり」でしたが、このSaaS型は顧客が気に入ってくれる限りは永遠に売上が継続するモデルとなっています

 

安定的に売上が見込めるという点で、このSaaS事業は現在世界的に見て大人気。マイクロソフトの「オフィス365」も近年このSaaS型にサービスの方式を変更して業績拡大に一役買っています。

 

デメリットとしては急激に売上が伸びないため、開発コストを短期間で回収できない点です。しかし、現在のように利用者が増加し続けている状況においてはまだこのデメリットは顕在化しないでしょう。


2つ目は「継続してデータを取れる」という事。このようなバックオフィスの管理は、「どの商品がどの顧客に売れる」などのデータを押さえることができます。
こちらも現在のトレンドである「AI・ビックデータ」と非常に相性がいい。実際、Hameeもこのプラットフォーム事業の将来の活用法としてデータ活用を挙げています。
 

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https://next-engine.net/

この方向性に向かう為の具体的なマイルストーンとして、契約社数5000をあげています。
 

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https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS71035/5692c035/d5cc/46ce/88b5/8bc559fa1041/140120181211448139.pdf


スマホケースの販売だけでは将来性に不安を覚えますが、このプラットフォーム事業が第二の柱として成長していることがHameeの大きな強みであると言えるでしょう

 

売上の数字も見ておきましょう。先ほどのスマホケースと違い、安定的に増加し続けていることに注目ください。
 

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 安定していること。これがSaaS事業の大きな強みです。

 

第三の事業、グローバル事業はHameeの将来を左右する 

グローバル事業は売上の明細の表示はまだありませんでしたが、サイトが記載されています。国ごとにHPのデザインが異なっていることが見てとれます。
 

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https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS71035/5692c035/d5cc/46ce/88b5/8bc559fa1041/140120181211448139.pdf


これは国によって購買につながる導線が異なるという事でしょう。この違いはそのままノウハウとなるので、恐らく海外事業版のネクストエンジン(SaaS事業)も将来的に見こんでいると思います。

 

また、具体的な売上が分からないのが少し残念ですが、海外のネット販売は「アリババ」から自社ECサイト「天猫(TMALL)」に招待されているところを見ても好調だという事ができると思います。
 

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(https://hamee.co.jp/news/hamee/detail/id=7008


中国の現在の市場の伸び方は異常なレベルである為、ここの競争で勝つようなことがもしあれば今後大きな成長が見込めるでしょう。

 

事業の主力はコマース事業。しかしPF事業も増加中

最後に各事業の売上を確認しておきます。
 

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プラットフォーム事業はまだまだメインにはなりませんが確実に成長していっていますね。数年すればこの売上は逆転するのでしょうか。楽しみですね。

 

以上、Hameeの事業を確認してきましたがいかがでしたでしょうか。ただスマホケースを売るだけでなく、売って得たノウハウも使って安定的に収益を上げることに成功しているという点で優れたビジネスモデルだと思います。

今後も注目していきたい企業ですね。次回からはPL,BS,CFを具体的に見ていきたいと思います。

 

Hameeの中期経営ビジョンについては

 

 

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 分析で参考になる記事はこちら

 ちなみに、今回使った分析手法は「時系列分析」です。具体的な方法が知りたい方は

 

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もう少し詳しい分析であれば

 

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