Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

ちょっとだけ中級者編 BSを使って企業姿勢を読み取ろう

BSからは企業の姿勢が分かる

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 (https://www.inditex.com/documents/10279/563475/2017+Inditex+Annual+Report.pdf/f5bebfa4-edd2-ed6d-248a-8afb85c731d0)

今回はZARAのBSを見ると企業姿勢が分かるということについて書いていきたいと思います。読み込む限りZARAの企業姿勢は非常に真摯です。

 

また、BSとは企業がどのような資産を持っているのか?も教えてくれます。「売上の源泉」が分かるというわけですね。それでは読み方から見ていきましょう。

 

BSの読み方は結構簡単

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(単位は100万ユーロ)

各数字の隣に割合を載せていますが、BSの読み方は単純。この大きい割合から見ていきます。(今回は資本は大した情報がなかったので割愛します)

 

流動資産と非流動資産に関して見てみましょう。まずは流動資産(一年以内に現金に変わると見込まれる資産)から。

 

 流動資産を見るとZARAは非常にキャッシュリッチ

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ZARAは一番下の数字が流動資産の49%を占めています。これは現金やすぐ現金に換えられる資産。ZARAは現金を4931百万ユーロ。すなわち6410億円ほど持っています。

 

その一つ上のCurrent financial investmentsも有価証券なのですぐ現金に変えられることを考えると、ZARAは流動資産は64%が現金です。その次に大きいのは26%の棚卸資産。ZARAは洋服を売っている会社なので、この棚卸資産は洋服でしょう。この時点で3490億円の資産を保有していることになります。

 

ちょっと専門的だけど、知っておくと便利な指標

 

棚卸資産はもう一つ知っておくと便利な指標があります。それは、「棚卸資産回転率」です。

会計では服が出来たら棚卸資産になり、売れたらその棚卸資産は売上原価という指標に変わります。

 

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この性質を利用して、「今の在庫は後何日で売れるのか?」という指標を計算できます。見方を変えるとこのように捉えることもできます。

 

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棚卸資産÷売上原価をすると、「1年で売れる○○%今保有している」という事になります。

 

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一年は365日なので、この0.23に365日をかけると

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今ZARAが保有している服は恐らく86日で売り切ることができるという「予想」が立ちます。洋服は春夏秋冬の四季性を持ってるので、1季節辺り90日に抑えられているのであれば非常に優秀な数字であると言えます。

  

ただ、3年間分見てもこの数値は完璧に管理されています。 

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もしかしたら、売れない服はさっさと焼却処分してるかもしれません。ここはユニクロとは違う部分ですね。 

 

非流動資産からはZARAの経営に対する真摯な姿勢がうかがえる

 

 次は非流動資産です。

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こちらは全体の76%を有形固定資産が占めています。円換算すると9937億円。ZARAは7000店舗近く保有しているため納得の額です。

 

有形固定資産の中身はアニュアルレポートに記載されていますが、建物の他、店舗関連の資産やテクノロジー関連装備、自動車などが含まれているようです。

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(https://www.inditex.com/documents/10279/563475/2017+Inditex+Annual+Report.pdf/f5bebfa4-edd2-ed6d-248a-8afb85c731d0)

 

日本の企業であれば、販売に大きく関係しない「有価証券」や「金融資産」が入ってくることが多いのですが、非流動資産が販売に必要な有形固定資産がほとんどを占めているのは、ZARAの企業経営に対する真摯な姿勢が見てとれます。

 

負債 ZARAは無借金経営を行っている

 最後に簡単に負債項目を見てみます。

 

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非流動負債はその他項目が65%、流動負債は買掛金が95%と、なんと借入金がほとんどありません。ZARAは無借金経営の企業のようです。

 そして流動負債は買掛金がほとんどを占めています。これは、材料の仕入れ先に対してのツケが大きいということ。これはZARAの他企業との力関係が強いということです。

 

まとめ

 ZARAは無借金経営であるにも関わらず、現金を多く保有し、棚卸資産も適正額。そして、長期投資項目は販売に必要な有形固定資産が占めるという企業経営に非常に真摯な姿勢を見せる企業であると言えます。

 

BSは実はこのように色々な事が分かります。分析方法は、「大きな割合の所から見ていく。」です。皆さんもよかったら一読してみてくださいね。

 

 

初級編の記事は

 

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更に簡単にPLの収益構造をつかみたい場合には

 

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