Finance Records

財務諸表や決算書は企業の成績表!!さまざまな分析を通して財務の面白さをお伝えします。

就活生が決算書を使うには。企業分析方法②気になる給料も財務諸表に載っている 伊藤忠編

今回はコラム記事です。皆が気になる給料の話。

 

就職活動を行う際に、企業分析が重要であることを否定する人はいないでしょう。就職しようとする企業は一体どのような企業なのか?給料はどれくらいあるのだろう?

 

色々な事が気になりますよね。このような問いに答えてくれるのが会社の財務諸表です。

 

そしてご存知ですか? 実は有価証券報告書にはその会社の勤続年数や平均給与、事業所別の従業員数などが記載されています。

 

なので、ここをチェックしておくと皆さんが気になるけど社員に聞き辛い所は全部わかるのです。

 

 有価証券報告書で会社の給料を知っておこう

例えば伊藤忠であれば、有価証券報告書を選んで「従業員の状況」をクリックすればその情報が出てきます。

https://www.itochu.co.jp/ja/files/security_94.pdf

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これをエクセルでデータ管理してもいいかもしれません。所要時間は1分くらいです。

 

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こんな感じで纏めておくと分かりやすいでしょう。

 

ザックリで構いません。

 

ですが、これを見ただけでも「勤続年数は17年もあるのか!」だったり、単純に「平均の給与って1460万もあるのか!!!」といったことも分かります。

 

また、下の事業所別の従業員数を見ると、「繊維・機械・食料の従業員数は多いな」「情報金融は人数が少ないんだな。」といったことが分かります。この情報だけでも多くのことが分かりますね。

 

しかし、皆さんは数字を時系列で考えるという方法をすでにマスターしています。

 

 

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この方法を、この給与の面においても落とし込んでみましょう。

 

時系列でみると情報がより鮮明に

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まず全体から。本社の従業員数はあまり増えていません。狭き門であるという事はよく分かります。

平均年齢、勤続年数なども見てみましょう。平均年齢は徐々に増加しており、平均勤続年数は徐々に増加しています。実はここは結構重要。仮に、まったく新入社員の入らない会社であれば毎年1ずつ増えていくことが分かりますか?

 

伊藤忠がそうではないという事は、「新入社員は入ってくるけど、その分既存の社員が出向や退職している」という事。この辺りは皆さんも数字を見ながらいろいろと考えてみてください。

 

そして気になる給与。毎年上がっていますね。恐らく年功序列方式の給与形態になっているのではないでしょうか?

 

というのも、前回確認した伊藤忠の収益(売上)のグラフは

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です。売上は年々増加している訳ではないのです。なのに給料が上がり続けているという事は、そのような給与形態であるという事でしょう。もちろん結果を出せば評価されるのでしょうが、どちらかというと、「籍を置き続ける方が給与に大きな影響を与える」企業であると思います。

 

 

 各事業の従業員数も時系列でみると・・・?

では次に各事業の従業員数を見ましょう。

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少しごちゃごちゃしていますが、見えますかね?皆さんはこのデータからどんな想像をしますか?

 

筆者は印をつけていることからもお分かりになるかと思いますが、「事業セグメントがちょくちょく変わっているなあ」と思いました。特に2010~2011年(一番右)の通信・航空電子業などは、従業員386人もいるにも関わらず綺麗になくなっています。そしてその年は295名の従業員の減少です。出向になったか事業を売却したか等はここでは分かりませんが、他にも事業の統廃合を繰り返しているところから推察すると「メインの事業以外はドラスティックに統廃合を繰り返す企業」である可能性があります。

 

商社を目指そうというのだから、変化が激しい事を歓迎される方も多いとは思いますが、変化が激しそうな性質があることもこの数字からは読み取れます。

 

逆に変化が少ない事業はメインの事業ではないでしょうか?具体的には「繊維」「機械」「食料」等。この辺りは統廃合も少なく、従業員数も安定しています。これは安定した事業であるという証左です。これらの事業に強い自分になれれば、花形事業で働くことも夢ではないかもしれません

 

 まとめ

 以上、今回は給与や勤続年数を基に伊藤忠の数字を分析してみましたが、いかがでしたか?思ったよりいろいろなことが分かったのではないでしょうか?

 

そして、ただ単年を見るより、継続してみた方が様々な変化を捉えられるという事がご理解いただけると嬉しいです。

 

数字を使って企業を分析すると、このような給与などについても分かるんだという事を知っていただけるとそれは皆さんの一つの武器になります。

社会に出てからだって、相手先の企業の数値を見ることができれば、それは皆さんの大きな武器の一つになりますよ。

ぜひご活用いただけたらと思います。

 

では、伊藤忠を使っての就活生編は次で最後。最後は「横比較」について書いていきたいと思います。

 

 

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