Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

LINEの財務諸表本格分析。 BSとCFを見れば、本気の勝負を仕掛けてきたことがよくわかる。

LINEのBSとCFの見方解説!

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(LINE Corporation | ホーム

今回はLINEの貸借対照表(BS)を見てみます。

この表からは、「企業がどのようにお金を集め、どのように使ったのか?」ということが読み取れます。通常IT企業のBSはあまり気にしないことが多いです。というのは、IT企業は別に店舗も必要ありませんし、売るためのモノも必要ない。

 

なので、BSは通常大きな変動が出ないのです。しかし、LINEはLINEPayなどを筆頭に、様々な投資を行い様々なサービスを行っている。特に、新しい事業を始める前のBSはものすごく動いています。この動きが分かれば財務が少し面白くなります。

 

早速、読み解いていきましょう。

 BSを見ると企業のストーリーが見える

まず前期末のBSです。

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BSは真ん中で区切って、右側が資金調達方法、左側が投資先です。まず右側。

BSはザックリ見て、割合が大きい所を見ていきます。まず右下の資本から。

 

BSの右側は資金の調達方法を示す

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資本が大きいということは、株主からの投資が大きい、自分で稼いできた額が大きいということを示しています。

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さて、どこから見ていけばいいでしょうか?ここはまず「利益剰余金」というところを見てください。

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マイナスですね。これは「今まで経営していて、トータルでマイナス」ということなのです。意外ですが、LINEは赤字経営のようです。

 

ではなぜこの資本が大きいのでしょうか?それは「資本金」と「資本剰余金」が大きいから。ということは、今までLINEは投資家たちが多額の投資をしているということが分かります。

 

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資本から分かること、それはLINEは、「赤字が出ているが、それでも投資家たちはLINEのビジネスに期待しているのではないか?」ということが予想されます。

 

左側は資金の投資先を示す

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次は左側。こちらは右側で調達した資金を何に投資しているのか?ということが分かります。

こちらは左上の流動資産が一番多いです。こちらには現金などが記されています。LINEはいったい何をためているのでしょうか。

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ここは現金が一番多いですね。LINEは赤字経営を続けているということは書きましたが、現金をたくさん保有しているので潰れる心配はありません。赤字はただ単に「投資に比べてリターンが少ない」という結果を示すに過ぎないのです。

 

倒産するのはどういうときか。それは、この現金が尽きた時です。そういう意味では、LINEは赤字であるにしてもすぐに潰れることはない安全な経営をしているということができます。

 

時系列順で見てみるとストーリーが見える

LINEのBSの右側と左側の一番大きい部分の中身が分かった所で、今度は時系列で見ていきましょう。

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あまり大きな動きがないように見えますが、流動資産の割合が63%→59%→56%と少しずつ減少しています。この減少は現金と売掛金の減少です。

こうやって見ると、半年の間でお金が減り続けていっています。これはなぜでしょうか?理由はキャッシュフロー計算書(CF)という書類を見ればわかります。

 

CF計算書は「現金がどのように増減したか?」を示す

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これは2017/12/31から3か月たった時の現金の推移を示しています。計業活動CFは事業で稼いだ分、投資活動CFは投資に回した分、財務活動CFは資金調達した分の現金の推移を示しています。図にするとこのような感じです。

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このように見ると、現金が減った理由がよくわかります。事業でお金を稼いでいるものの、投資にそれ以上のお金をかけているのでお金が減ってしまっているんですね。

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次の3ヵ月の現金が減少しているのも同じ理由。LINEは投資を続けていることがよく分かります。

 

今期のBSに動きあり

で、今期の7~9月です。BSに戻ってみましょう。

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さて、現在最新版である貸借対照表ですが、大きな動きがあることはお判りでしょうか?

流動資産、63%→59%→56%と徐々に下がっていた流動資産ですが、この3ヵ月で69%と大幅な伸びを見せています。そして、それに対応するように非流動資産が今まで4%だったのが32%と激増しています。

 

非流動資産を見てみましょう。

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3ヵ月で、社債が大きく増えています。資金調達の際に、今回は社債を使ったというのが興味深いですね。

 

LINEが社債を使った理由は、株価の変動から分かる?

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(LINE(株)【3938】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス

原因はこちらにもあるのではないでしょうか。LINEの株価なのですが、10月の頭に大きく減少しています。この減少の理由は不明ですが、おそらくLINEはこの株価の減少を予想していたのではないでしょうか?

 

株価が減少するのが分かっていたのであれば、その数か月前に投資家から調達していれば投資家に損をさせることになるので社債での調達が合理的なのかなと思います。

 

このように流れを一つずつ見ていくと、「これとこの出来事が関係してくるのかな?」ということが分かって面白いですね。最後にこの3ヵ月のCFをみて終わりましょう。

今期のCF計算書は、LINEの本気をうかがわせる

 

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基本的に事業で儲けたお金以上に投資をしていることが分かりますが、それ以上に財務調達CFの調達がいかに大きな調達だったのかが分かります。なんと今持っている現金以上の資金調達だったのです。

 

そして、このお金をもってLINEは様々なサービスの開始を行っています。

これだけの資金調達に、様々な投資。LINEはここらで一発当てなくてはいけません。LINEは明らかに本気の勝負を仕掛けてきたといえるでしょう。

LINEの大きな勝負はどうなるでしょうか。ここから1年ほどはLINEに注目してみたいと思います。

 

 

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