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LINEの財務諸表分析 LINEは「メッセージアプリ」というイメージからの脱却が鍵か?

 LINEは常に変化する不確実な環境に対応するために多くの事業に参入しているのではないか?そう思わせるくらいLINEは新しい事業のプレスリリースを立て続けに出しています。

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(LINE Corporation | ニュース

10月あたりから、「LINE Token Economy」「LINEテイクアウト」「LINEチケット」「Clova Auto」「LINEほけん」「LINEスマート投資」「BITBOXでのLINEの仮想通貨LINK」「LINEキャリア」「LINE家計簿」など、この数カ月で様々なサービスを提供しているのが非常に印象的です。

 

では、そんなLINEの懐具合などについて見ていきたいと思います。

ちなみに、このLINEの決算発表は9月時点のもの(決算発表は締めから2カ月後までにすればいいのです。)この決算が出てからこれだけ色々な投資が始まっているという事も頭の片隅にしまっておいていただければと思います。

 

では今期の売上と営業利益から。

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

 

売上は全体的に伸びていますが、営業利益は減少して今期は営業損失を計上しています。

LINEはコア事業(広告やマンガなどの収益を上げる事業)と戦略事業(LINEPay等の投資段階の事業)の二つに分かれています。この二つで、売上をグラフ化してみましょう。

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このように、売上収益、戦略事業共に毎期着実に上昇しています。では、営業利益の方を見てみましょう。

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戦略事業は営業損失が増えていってしまっています。しかしこれは事業拡大のために仕方のない部分。特に主力事業であろうLINEPayの決済事業はヤフー、楽天、メルカリ等の各社がこぞって参入してきている事業です。LINEは現在後れを取らないように端末の設置などの投資を急速に進めています。

 

 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

  

LINEPayの決済高自体は順調に増えていっていますので、ここからの投資によって、他社との決済事業戦争に勝ち残れるか?」が大きな課題でしょう。

また、他の戦略事業であった分野も徐々に立ち上がりを見せ始めています。黒字化にはまだ遠いようですが、いい傾向だと言えそうです。

 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

 

他にも、最初に述べた10月からスタートした投資が成功した未来像について記載されています。

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

LINEPayを基点として、保険、運用、家計簿サービスなどを紐づけようとしているんですね。仮想通貨もこのような流れに位置付けられています。

 

 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

と、いう事はLINEにとって、LINEPayは今後のために絶対にとっておかない分野であるという事が出来ます。このような状況下で投資を躊躇すべきではないでしょう。損失は慰安のところ気にするべきでないという事が出来ます。

  

しかし、これに対して気になるのはコア事業の営業利益。この利益が減少し続けています。何が原因でしょうか?

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結論からいうと、売上の伸びに対してかかった費用がかなり増えています。1年前を基準に伸び率を分析しても、大きな伸びの違いがそこにはありました。

 

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困ったことにこれ以上のデータが開示されていないので「どの費用がどのように増えているか?」という事が分析できないのですが、有価証券報告書を読む限りでは従業員数の増加による人件費の増加や、ゲーム事業への投資が大きいようです。

 

しかし、コア事業の売上を分解して伸び率を確認してみると、メイン事業である広告事業は順調に伸びていっているものの、コンテンツ事業は伸びていっていません。

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LINEの資料を見ると、マンガと音楽の事業は伸びていっているようですが、ゲーム事業についての記載は特に見当たりませんでした。

 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

 

これだけ伸びている事業があるのだから、伸びていない事業に対するコメントは差し控える気持ちはわからないでもありません。DeNAもゲームアプリには苦戦していましたし、日本のスマホアプリのゲーム事業は少々厳しい環境が続いているのかもしれません。

 

しかし、実際にコンテンツ事業の売上はトータルでは伸びていないので、結局コア事業の営業利益の減少はここに原因があるのかな?と思います。

 

結局のところ、LINEを利用しているユーザーに他のコンテンツをどのように利用してもらうか?という導線を配置する部分で、LINEは本業が強すぎたんじゃないかと思います。誰かにメッセージを送ろうという時にLINEを開いても、「時間つぶしにゲームをしよう」という時にLINEを開く人が少ないという事なのかなと思います。

 

そう考えると、LINEはこれから、「メッセージアプリ」というイメージからの脱却を図らなくてはいけません。その為の投資として戦略事業も進めているのでしょうか。このように考えるとLINEの戦略が一本の線で繋がっているようで面白いですね。

 

まとめると、

コア事業

本業の広告業の売上は順調な伸び見せる。

しかし、ゲーム事業は投資に比べて停滞中

人件費の増加も伴い、コア事業の営業利益は減少傾向

 

戦略事業

LINEPayの普及のための投資は順調に推移

他企業との競争激化のため、投資をためらっていられない状況なので営業損失は今後も増加しそう

他の戦略事業は徐々に売上が立ち上がってきている傾向にあり

 

LINEの課題

LINEは「メッセージアプリ」であるというイメージからの脱却

 

という事が出来ます。

次回は貸借対照表などを分析します。それではここまで読んでくださってありがとうございました。

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