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LINEってなんで無料で使えるの?その理由を数字で分析

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(出典:http://official-blog.line.me/en/

LINEってなんで無料で使えるの?

 

日本で圧倒的な存在感を見せているLINEですが、今この記事をご覧になられている方々もご使用になられているのではないでしょうか?
我々消費者が利用する分には基本的に無料です。ですが、LINEは何も慈善活動を行っているわけではありません。今期のLINEが事業を行うために使った費用はなんと555億円。
社員は恐らく2000名近くいます。

 

3カ月の事業運営費用555億円
LINEの平均給与約700万。

社員2000人近く

 

というのが実際のLINEの姿なのです。では、なぜ我々はLINEを無料で利用することができるのでしょう?先に答えを先出しすると、「LINEはユーザーではなく他企業からマネタイズしている」という事になります。これは現代の広告業のカタチ。

 

という事で、まず「LINEが何からお金を取っているのか?」について確認していきます。
 

 

LINEの売上の全体像を確認・売上のメインは広告業

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf


まず全体的な売上ですが、この3カ月で519億円の売上を上げているようです。昨年の売上444億円と比べて16.9%の伸びを見せています。

 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

 
この内訳を確認すると、戦略事業72億円、コミュニケーション事業177億円、広告事業269億円という内訳で、広告事業の269億円が最も大きいです。

 

広告事業269億円、大きいですよね。

この広告事業とは一体何のことでしょうか?

 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)


 それは企業の公式アカウントやLINE@アカウント、タイムラインに流れてくる広告などです。LINEは、我々もよく目にする企業のLINEメッセージから主な収入を得ているのです。

 

 

企業アカウント数に比べて売上が高くない?

 

この広告、実はすごく単価が高いんです。右の公式アカウントの数を見ると、このQ3では677件のアカウントが登録されています。
 

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(https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

この公式アカウント数とアカウント広告の関係を比べてみましょう。
 
この売上を公式アカウントで割って、1アカウント当たりの売上を計算してみると、1アカウント当たり2000万円という数字が出てきます。

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LINE@のアカウント数を丸々無視していますが、1社あたりの単価が非常に高い事は間違いないでしょう。

 

 

やはり高いぞLINEアカウント!!

 

LINEの法人向けサービスの資料を読んでいくとその料金形態が明らかになりました。エントリープラント、その後の継続プランに分かれているようです。
 

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 筆者が自分に来た広告をチェックしてみると、ユニクロは10月で12回。楽天は2回、爽健美茶などのコカ・コーラの配信が4回ありました。

 

ユニクロや楽天、コカ・コーラはターゲットが500万人を超えるでしょうから計算してみると、


ユニクロ1775万円+355万×8回=4615万円
楽天1150万円
コカ・コーラ1775万円


の広告費をLINEに払っている事になりますね。LINEは更にセグメントできる詳細な機能を付けているので、実際の金額はこれよりも増えると思いますが、基本料金だけでもかなりの金額になります。

では、なぜ各社このような多額の金額をかけてLINEに広告を打つのでしょうか?

 

 

 インフラ化したLINEは実はとても魅力的

 まず、最も大きな理由はLINEが日本のインフラと化した事でしょう。f:id:parrrrrao:20181114142648p:plain

(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 
MAU(月1で利用する層)は7600万人越え。そしてDAU/MAU比率(月1で利用する人が毎日利用する率)は驚異の85%です。この単純計算だけで、6460万人が毎日利用するインフラとなっていることが分かります。
 
しかも男女、年齢層、職業。全て広くカバーできていることがうかがえます。

 

 

幅広い層をカバーしている事も特徴

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 
 
居住地も人口分布とほぼ等しいとの事。データから見てもLINEは「日本人ならほとんどが使っているインフラ」であるという事が出来ます。

 

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 
LINEは、企業とユーザーのコミュニケーションの場として機能しています。さらにLINEは企業のマーケティングに必要な導線を各サービスにしている。これによって、顧客獲得からファン化までのマーケティングをLINEが担えるようになっているのです。
 

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 

集客能力は抜群
  

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 
集客段階では平均600万人の顧客を獲得可能。このように見れば、企業スタンプはユーザー獲得に非常に大きな効果を持つことが分かります。
 

 

コミュニケーション・販売の方法も充実

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 
メッセージを送る際もこのようにいろいろ工夫することができます。今はまだ効果は薄いかもしれませんが、動画を送る機能も増えてきているようです。これは5Gになってギガをたくさん利用できる環境が整うと非常に強力なメッセージ送ることができる可能性も秘めています。

 

 

 セグメントした顧客に的確にメッセージを送ることができる。

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(https://www.linebiz.com/jp/line-biz-solutions/)

 
そしてそのメッセージは「誰に」送っているのかも把握することができます。ここから、よりセグメントされた情報を送ることも可能な機能がLINEには存在します。
 
自社のターゲットである顧客層にダイレクトに情報発信をできる。これが企業にとって魅力的であることは簡単に想像できます。

そしてこのような機能を見ると、LINEが我々からはなぜお金を取らないのか?は分かります。

 

 

結論:LINEが無料なのは皆が使っていると広告として魅力があるから

 

ここに課金したらユーザーは他の無料メッセージアプリに逃げていってしまうでしょう。すると広告業のうまみが全くなくなってしまいます。テレビが視聴率を気にしているのと同じ構造で、LINEはユーザー数やMAU(月間利用者数)、DAU/MAU(月間ユーザーが毎日利用する率)がが重要な指標になります。

 

なので消費者がたくさんいればいるほど、LINEにとっては企業に「これだけの人が利用していますよ」というアピールをすることができます。つまり、語弊のある言い方ですが、LINEにとっては「ユーザーが商品」なのです。

 

以上、LINEはなぜユーザーからお金を取らないのか?について見ていきましたがいかがでしたでしょうか。仕組みが分かると面白いですね。ここから学べることは、「マネタイズのポイントをずらすと大きなビジネスにつながる」という事です。無料というのは立派な戦略だという事ですね。

では、ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

 この記事より少しライトに広告事業に説明した記事もありますので、よければこちらもどうぞ。

 

 

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