Finance Records

上手く行っている企業は何が違うのか?目標に届かなかった理由は何だったのか?様々な企業を記録し、財務分析を発信します。

ユニクロはここからさらに海外進出を加速させていくと思う。ユニクロの財務諸表を読んで分かる事。

今回分析する企業はユニクロGU率いるファーストリテイリング。今回の記事は財務諸表からわかる事について触れています。

   

ファストリはどれだけ儲かったのか?(PL分析)

 まず全体像から見ていきましょう。売上2.1兆円(前年比+14.4%)、営業利益2362億円(+33.9%)、税引き後当期純利益1548億円(+6.2%)で、いずれも過去最高だった前年の業績を全て上回っています。

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 これを図にすると下記のようになります。f:id:parrrrrao:20190117100324p:plain

売上が2兆円を超えること自体が初めてですが、損益の基本的な構造はどのようになっているのでしょうか。確認していきたいと思います。

 

売上から営業利益までの流れ。

決算説明書において売上から営業利益までの増減の要因について触れられていますので分析してみます。

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 まず売上収益。この増加の内訳は国内ユニクロは+540億円、海外ユニクロは+1881億円、GUは+126億円と、海外ユニクロの伸びがダントツであることが分かります。

この流れは通年通して全く変わっていません。

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海外ユニクロのおかげで、全体としても過去最高の売り上げを記録しています。

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  この流れは今後のユニクロの未来を見る際に一つのトレンドとなり得るので、頭に入れておくといいのかもしれません。

 

販管費率からわかる事

 販管費率は、売上高に対する売上にかかった人件費や土地代など費用の割合が示されます。これだけの大企業でここがマイナスになるのは凄いの一言です。

原因は多々あるかと思いますが、倉庫の無人化やRFIDなどによるデータ管理も大きな理由として挙げられるでしょう。 

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 ちなみに、人件費を切り詰めてブラック企業並みに働かせているんだろう!と読む事もできますが、ユニクロの販管費の比率は、人件費が圧倒的に高いです。しかもコストカットで家賃や広告費は減っている中人件費は緩やかにですが上昇しています。

 

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なので、ユニクロのコストカットは技術革新によるコストカットが大きいのかなと思っています。

 

 PLからわかる事のまとめ

  まとめると、ファーストリテイリングは値下げをせず売り切れるようなデータが整ってきているのではないでしょうか。

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これにより売上が伸び、様々な経営努力により販管費を減少させたことによって大きな営業利益を手にしたと言えます。

 

 海外ユニクロの躍進がすごい

 部門別にも見てみましょう。白い部分が国内ユニクロ、赤い部分が海外ユニクロです。国内ユニクロは8647億円、海外ユニクロは8963億円と、海外ユニクロが国内ユニクロの売上を初めて逆転しました。

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ユニクロは早くからグローバルブランドを目指していましたが、既に名実ともにグローバルブランドとなってきています。

 

 

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 ファーストリテイリングのライバルはとっくに国外企業である

もう国内に敵はいないといっていいユニクロですが、海外に目を向けるとライバルはまだ存在します。

 

ユニクロのHPには世界企業との比較が

実はファーストリテイリングはIR情報の経営方針に「業界でのポジション」を開示している珍しい会社です。そこに並ぶのは、Inditex(ZARAを運営する会社です)やH&M。

特にInditexは2018年1月の時点での売り上げが3.33兆円と、2兆円を超えたユニクロにいまだに1兆円の差をつけています。

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企業の公用語を英語にしている事を考えても、ファーストリテイリングはとっくに世界に目を向けていると考えるべきでしょう。 

 

 

一番のライバルはZARAを運営するInditex

 しかも、ZARAはスペインの会社ですが、売上の構成比はスペインは約5500億で16%程度しかなく、その他の売上が圧倒的に多いです。

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店舗はファーストリテイリングの2倍近くの7422店舗もあります。

世界一を見据えているファーストリテイリングは、この企業に勝つために今後も海外事業を強化していく事になるでしょう。

 

少し怪しい動きを見せるBS 現金と在庫の動きに注目

 

 続いて資金をどうやって調達し、どのように投資しているのかBS(バランスシート)を見てみましょう。現金や在庫を示す流動資産と、銀行の借り入れや社債の発行を示す負債が大幅に増えています。

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原因は現金と在庫の大幅な増加と社債の発行

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 内訳を見ると、在庫の+1751億円という大幅な伸びが少々気にかかります。。

 

在庫と売上の数値を使って滞留日数を計算することもできます。 

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今年度は65日。ユニクロは、商品一つの在庫を売り切るのに2か月近くかかる在庫量を抱えていることが分かります。

在庫として計算するタイミングの変化とコア商品の多めの発注などが原因と書かれていますが、今後のファーストリテイリングは在庫の額は継続してチェックしておいた方がいいかもしれません

 

また、現金も+3158億と大幅に増えています。今年度の税引き後の利益は約1550億でしたので、今期稼いだ額の倍近い現金が増えています。その原因はCF計算書(キャッシュフロー計算書)で詳細に記載されています。

 

CF計算書からは何かを仕掛ける可能性

 続いてCF計算書を見てみます。 

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 CF(キャッシュ・フロー)計算書で初めに投資活動によるCFが営業活動によるCFの範囲内で行われているかどうかをチェックします。

 

この状態になるという事は、投資が全て事業で稼いだお金で行われているという事になります。特にこの会社は有明プロジェクトに必要な投資など、571億円も投資しているにも拘らず1000億以上自由に使えるお金を稼いでいます。

 

 

 儲かっているのに財務調達を行っている

 1点気になるのは最後の財務活動によるCFの増加。投資は営業活動で稼いだお金の範囲で行われているにも拘らず、2000億近くの調達をしています。

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なぜこれだけ多額の金額の社債を発行したのでしょうか。

 

今期決算書から考える。ユニクロは近いうちに世界一を取りに行くのか?

ここからは私の個人的な予測になるのですが、ファーストリテイリングは海外ユニクロの売上が国内ユニクロの売上を超えたことをきっかけに、さらに積極的に海外事業に乗り出すのではないかと思います。中国だけでなく、インドやベトナムなどのより多くのアジアの地域。更にはオランダやスウェーデンなどのヨーロッパへの出店。その為の原資としてこの調達を行ったのだと思います。

 

もちろん、ここから数年は先日発表された無人工場意外にも、AIへの様々な投資が行われることでしょうが、それが終わった後、本格的にファーストリテイリングが世界一を狙いに行くのではないかと思うのです。

 

 3か月後にはあまり現金の動きがなかったという話については

 

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世界一を目指す際に関係する、ユニクロの情報製造小売業については

  

 

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 を。

無人工場に大きく貢献したダイフクの財務分析は

 

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 をご覧ください。