今回は「現在、メルカリのビジネスモデルが最先端である4つの理由」
について書いています。最先端の企業もこの4つを満たしている事が多いです。メルカリを見れば最先端のビジネスが分かる!という事もふまえて書いていきたいと思います。
まずメルカリのビジネスモデルを整理したいと思います。現代の最先端のIT企業が押さえるべき点は、①Eコマースの快適さ②エコシステムの構築③広告事業④金融の4点だと言われていますが、これを全て押さえられるポジションにいます。
①Eコマースの快適さは、徹底的な改善からもたらされている
①の快適さは、メルカリを利用したことのある方なら出品も簡単、購入はもっと簡単だとお分かりになることでしょう。この快適さをどのように実現しているのでしょうか。
メルカリは「ロギング」と「A/Bテスト」と呼ばれる改善手法を非常に多く活用して改善を繰り返しています。
A/Bテストとは、2つの仕組みをユーザーに同時に利用してもらい、どちらが便利かをテストするという事です。
今のサービスをAからBに変更するとします。この際に、変更したBの評判が悪く、利用者が減ってしまうと非常にマズいです。ですので、メルカリ内で元のAと変更後のBを同時に流し、ユーザーの反応を確かめることを行います。これがA/Bテストです。
そして、その様々なデータを全てlog(記録)にして、多角的に分析することをロギングといいます。2つを同時に試して、データを取って、改善。これを繰り返すことによってメルカリはユーザーに使い心地のいいサービスを提供し続けています。
②エコシステムの構築のカギはメルペイ
②エコシステムの構築は、まだメルカリではリリースされていません。エコシステムとは、ここではプラットフォームを提供する企業と、それを活用してビジネスを行う企業の共存関係を指します。メルカリはこれを「メルペイ」というサービスを使って初めて行くようです。
(https://pdf.irpocket.com/C4385/xouG/iyVp/J29a.pdf)
メルカリでたまったお金をメルペイで管理して、加盟店やメルチャリ等のサービスを受ける際に利用する。これがどんどん広まると、メルペイを中心としてお金が回るサービスが出来上がってきます。
(https://pdf.irpocket.com/C4385/xouG/iyVp/J29a.pdf)
構想自体は非常にシンプルなように見えますが、これを実現するためにはその会社のサービスで2つの仕組みを押さえなければなりません。
それが「アドレスを取ること」そして「ビジネスを回せば回すほどお金が貯まる仕組みにしていく事」です。
そしてそれは③と④に繋がっていきます。
③フリマアプリは顧客の購買データが収集できる
③の広告事業が「アドレスを取る」ことです。
アドレスを取るとは、消費者の購買情報を取得するという事でもあります。現代の広告事業とはテレビでCMを大々的に流すという事を指しません。現代の広告とは、顧客の購買動向からより深い顧客ニーズを探ることにあります。ユニクロの「情報製造小売業」などはその典型ですね。
(上記全てhttps://www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/presen170316_UQEC_DaiTanaka_jp.pdf)
このユニクロの情報製造小売業の仕組みのように、購買情報をAIやアルゴリズムによる分析を通してデータ化する事が重要視されています。
最近セブンイレブンなどの大手の企業がどんどんアプリをリリースしていますが、それはこのような仕組みが裏側で機能するという事が分かってきているからでもあるのです。
今のこのようなビジネストレンドを理解すると、メルカリはこの部分で非常に優位性があることがお分かりになるかと思います。メルカリは買い手が今度は売り手になり、また買い手になり…とユーザーが売買を繰り返すような仕組みになっています。
これによって顧客情報や購買データを握れるポジションに立っていますし、そのデータを①でお伝えしたように全て記録しています。なので、「どんな性質を持つユーザーがどんなページを見て、何を買うのか」というデータを取れるメルカリは広告業としても最適だと言えます。
メルカリで購買をする人が増えれば増えるほど、メルカリは広告事業としての企業価値も高まるという事になります。
④金融の向かう先はアントフィナンシャル?
④の金融については、こちらも今後メルペイを通してリリースされていく事でしょう。
恐らくですが、様々なインタビューを通して見えてくるのは、メルペイのモデルは中国のアリババグループのアントフィナンシャルが提供するアリペイです。
(https://thebridge.jp/2016/06/ant-financial-ascend)
詳細は別記事で書きますが、アリペイは中国で利用されているBtoC,CtoCの決済システムです。ここの仕組みは非常によくできており、ここをトレースして普及されることができれば、メルカリはものすごく発展していくことができるのではないかと思います。
以上、非常に簡単にですが、メルカリのビジネスモデルがすごい4つの理由について書きました。裏のビジネスモデルにどのようなモノがあるか。これを調べることによって現代のビジネスモデルで勝つための条件なども見えてくる可能性があります。
そしてこの条件を備えたメルカリが海外で勝ち、成長する未来が来れば楽しいですね。それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!
メルペイとアントフィナンシャルの関係については
を
現在のメルカリの最新の財務状況については
をご覧ください。