・前段
今回は、誰でもすぐにできる決算書の読み方を書いていこうと思います。
決算書を読むと言われても、決算書って読むのは難しいイメージですよね。
実際私もそうでしたし、思い切って読み始めても難しい数字の羅列…
途中で読む気にならなくなってしまいました(笑)
しかし、後にそれはただ読み方が悪かったのだという事が判明します。
読み方さえわかれば、決算書は企業の取り組みや現在の課題、企業独自の強み、辿ってきたストーリーを教えてくれる読み物に代わります。
結果として、今では気軽に企業の決算書を読めるようになっていますし、企業の上手くいった戦略をストックしておくことができるようになって来ています。
社会に出た際には、それらの知識は強力な力となるでしょう。
そう、決算書を読めるようになる事は、就職の時だけでなく、今後実務のあらゆる場面で皆さんの力にもなってくれるのです。
それでは読み方をお伝えしますね。
・決算書を読む際のステップは3つ。
この3ステップは、
①売上が何で成り立っているのかを把握する。
②競合他社の決算書と比べる
③自社の過去の決算書と比べる
です。
これを通して、何か一つでも売上があげられそうな方法を考え付ければそれでOKです。
最も重要なのは売上ですので、①の売上から見ていきたいと思います。
①売上が何で成り立つのかを把握する
これは、売上を細かく分解していくという事です。
分解していくと、売上向上で重要になる指標を抜き出すことができるようになります。
たとえば、ANAやJALの場合は、メインは「人を乗せて運ぶビジネス」ですので、飛行機が飛んで初めてお金になります。これを数式化してみましょう。
と言っても難しいことは特になく、このビジネスは「飛行機が何回飛んだか?」と「その飛行機に何人乗ってるか?」がキーとなるのかな、という程度のことを想像できればOKです。仮にチケットが1万円だとして、100人乗せられる飛行機が100回飛んだら、「(チケット1万円×100人買った)×100回飛んだ=1億円」の売上になりますね。
ただもちろん、いくら100人乗せることができるとはいえ、いつも100人乗ってくれるわけではありません。ときには90人の時もあるし、時には50人の時もあるでしょう。これを平均化して、大体何人乗るという率を示すのが座席稼働率です。
なので、飛行機のビジネスを分析していくと、その売上高は
「売上=席単価×(総席数×席稼働率)×飛行回数」となります。
こう考えると、例えば席稼働率が70%だったのを80%に増加させることができるとすれば、1,000万円の売上の差が出てくるのです。しかもANAやJALは100回どころではなく、何万回と飛ばします。座席稼働率の重要性がよくわかりますね。
ここまで分解すると見えてくるのが、航空機ビジネスで重要なことは、「どうやって1回のフライトで飛行機をお客さんでいっぱいにするか」です。
売上についてここまで分析して数式化できたら、次は自社との比較と他社との比較です。他社との比較と過去の決算書の比較は次の記事で書きますね。