前年対比110%を超える成長を見せる良品計画。
では、その実態は?どのような商品が売れて、何でお客さんは来場するのか?
数値をもとに分析してみました。
まずはこちらの図をご覧いただきましょう。
これは、国別の商品の在庫をグラフに表しているものです。
これを見ると中国がダントツで、次に日本の良品計画が多くの資産を有していますね。
他にも韓国、香港、台湾、シンガポール・・・
無印良品はどうやら、販売の主戦場は日本を含めた東南アジアといえそうです。
しかし、残念ながら海外のデータを分析できる力はまだ持ち合わせておりませんので今回は割愛させていただきます。しかし、この時点で海外事業に大きなウェイトを置いているということが分かります。今後も海外出店は加速していくのでしょう。
今回は、細かい売り上げの確認として、日本のデータを取り上げることで良品計画の財務体質を見ていきましょう。
国内事業の経営成績です。
先ほど確認したデータでは、在庫数は中国が一番でしたが、売上の中心を担っているのはまだ国内事業のようです。
その国内売り上げ、どこが伸びているのかという状況も載っております。 どこも伸びていますが、特に「衣服・雑貨」の項目が伸びています。
細かいデータを拾ってみたのですが、「衣服・雑貨」の売上は、最も伸び率が高いのは男性服のようです。その伸び率は実に117%。女性服も113%と、国内の衣服部門は全体的にしっかりと伸びています。しかも、来場客数は前年比114%と、衣服雑貨部門は無印良品の大事にする店舗来場の原動力にもなっているようです。
また、次に目を引いたのが生活雑貨の中の「ヘルス&ビューティー部門」こちらは前年比120%越えを達成し、しかも現時点では売り上げの実に16%を占める、無印良品の稼ぎ頭となっています。
逆に、家具部門は売上の14%近くを占めるものの、前年比としては伸びておらず、少し頭打ち感が出てきているかもしれません。
無印良品は服や家具など、生活回りのものを全般的に売っている企業というイメージが強かったのですが、どうやら現在の姿は「衣服、美容」関係を主力とするライフスタイル提案型の企業のようです。
今後はさらに衣服や美容商品に力を入れてくれるかもしれませんね。
このように、会計などの数値に触れると、イメージだけでなく、企業の現在の姿を浮き彫りにすることができます。
この点は決算書を読めると非常に便利な点です。
このように、良品計画の国内事業の実際の姿を見てきましたが、その際に少し気になるデータを見つけました。
それが良品計画のKPIです。
見ずらいのですが、「利益率」「在庫回転率」「ROE,ROA」「純利益」などをKPIとしているようです。
利益率や商品回転率は分かります。一点気になったのはROEという指標。
これは、投資家が企業の価値を分析する際に使われるポピュラーな指標です。
この数値が高ければ高いほど、投資家が投資した資金はうまく使われ、その結果投資家にリターンが大きくなると言われている指標です。
「感じ良いくらし」というコンセプトに少し合わないな。と感じ理由を探したところ、
良品計画がこの指標をKPIに設定した理由の一つが分かりました。次回はその点についてです。
ちなみに、無印良品がすごいのは、このようなことまでわかる細かいデータを企業のIR情報に乗せているところです。
(http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=47523&code=7453)
従業員一人当たりの売上高など、かなり詳細なデータが乗っていますので、興味ある方はぜひ。
(これがリンク先にある、先ほどの売上の根拠となるデータです。)