今回は、①ZOZOTOWN(ゾゾタウン)に出店すると、売上の30%近くが持っていかれるという噂は本当なのか②ZOZOTOWNは儲かっているのか?について書いています。
ZOZOTOWNで設定されている数値目標(KPI)は基本的には伸び続けています。
KPIとは、簡単に言うと企業が「コレを達成するとビジネスが進む!」と考えている指標ですので、伸びているという事は、企業の成績にいい影響を及ぼすはずです。
ZOZOに出店すると売上の30%を取られるのは本当か
まず、出品者側から見てみましょう。
まことしやかに 噂されている、ZOZOに出店すると本当に30%の手数料を取られるという話は本当なのでしょうか。
これは決算書(財務諸表)から計算できます。商品取扱高から見てみましょう。
なお、この商品取扱高は私たちが購入した金額のことです。ZOZOTOWNはこの総売上から手数料としてマージンを取得するというビジネスモデルになります。
直近でいうと、2,700億の商品取扱高があるようですね。
ZOZOTOWNのマージンは売上高として記載されています。
2700億のうち、980億円ほどがZOZOTOWNの売上になるようです。
もう少し細かく見ますと、受託販売という一番大きな比重を占める売上があります。
これは、ZOZOTOWNが洋服を各ブランドから引き取り、「販売・管理・発送」までを一括して行う販売方式です。
実は、この商品取扱高と売上高を割ると、ZOZOTOWNが出店ブランドに対しいくらのマージン(テイクレートといいます。)を取っているかが分かります。
2462億売り上げた内、ZOZOTOWNは711億を手数料として受け取っています[i]。
ザックリですが、受託販売ですと売上の28.8%がZOZOTOWNのテイクレートとなっています。
これは、逆に言えば出店者側は売上の30%近くをZOZOTOWNにとられることを示します。ZOZOに出店すると売上の30%を取られるという噂は本当のようですね、
ちなみにこのテイクレート、どうやら日本の平均値は数%のようですので、ZOZOTOWNのテイクレートの異常な高さが垣間見えます。
販売・管理・発送をこなしてくれるというのもあるのでしょうが、それだけZOZOTOWNが販売の市場として魅力的ということなのでしょうね。
ZOZOは儲かっているの?
これだけ売上が伸びているZOZOTOWNですが、儲かってはいるのでしょうか。
売上と利益は別物で、売上が何兆という単位であったとしても、利益はないということもあり得ます。特に日本の大企業は、その傾向は顕著です。
これは、ZOZOの財務諸表のうち、PLの割合を出すと感覚的に理解ができます。
右が売上、左が売上を得るために使った費用です。
そして、一番左下が利益になります。
ザックリ言うと、売上の三割近くは利益となって残っています。これは非常に高い数値に見えます。
例えば、我々が1万円のコートを一着購入したとしましょう。
すると、そのコートの28.8%がZOZOの売上になる為、2880円が売上として計上されます。そして、その内29%が利益となるため、約835円がZOZOの利益になります。純粋に販売額から見ると利益率は8%近くまで低下します。
ここで注目するべきはZOZOのビジネスモデルです。ZOZOは自社で在庫を保有していませんので、在庫リスクがありません。今後売れれば売れるほど利益は伸び、売れなくてもZOZOはあまり困らないようなビジネスモデルになっています。
これによって材料費などの販売に必要な変動費も最小限に抑えられます。
このビジネスモデルで、ZOZOは儲かっている事を示す貸借対照表の「利益剰余金」を積み上げています。ZOZOは非常に儲かっているということができますね。
なお、詳細は省きますが、IT企業は売上が多額となれば利益率は伸びる半面、売上が減少しても費用が下がらないためハイリスク・ハイリターンな業種であると言えます。
今回は以上です!
[i] 図を見ると、
2700億のうち、受託販売の占める割合は91.2%⇒2700億×91.2%=2462億
売上高の推移は、受託販売が711億となっていますので、711億÷2462億=28.8%となります。
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